素晴らしいリーダーは弱みも見せる その正しいやり方とは?

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私がチームに対し、「私は皆さんと、この業界の状況について共有したいと思います。皆さんはこのことについて知るべきで、皆さんにはこうした課題にどう対応できるかに関して素晴らしいアイデアがあることを私は信じています」と言ったとしても、この発言に弱い部分はない。それどころか、私は従業員に真実を伝える勇気がある勇敢なリーダーに見えるはずだ。

このメッセージでは、これが私自身の決断であることを伝えている以外に、一人称の「私」の使い方にお気づきだろうか? 私はここで、自分が従業員を信じていて、従業員と状況を共有したり従業員のアイデアを聞いたりしたいという合図を送っている。こうしたメッセージは全て、私が信頼できる自信を持ったリーダーで、チームの回復力と革新を起こす力を信じていることを伝えている。

ステップ2 誇張を避ける


リーダーが課題について共有する際は、ネガティブな感情や誇張をあまり使わず、事実に基づいて話すことが非常に重要だ。私が従業員に「私たちの業界は崩壊している」と言えば、これはあまり事実に基づいていない。崩壊とは実際、何を意味するのだろう? 業界の縮小率は22%だろうか、それとも81%だろうか? それは1年間の数字だろうか、それとも5年だろうか?

事実に基づいて話すには、具体的で冷静で、客観的な言葉を使わなければならない。目標は、従業員から生産的な行動を引き出すような方法で情報共有することで、部下を恐怖で固まらせることではない。

簡単な指針として、組織が直面している課題を議論するときは「いつも」「絶対~ない」「何も(ない)」「不可能」「崩壊しつつある」「全て」「打撃を受けた」「巨大な」「計り知れない」「致命的な」といった10の言葉を使うことを避けること。

ステップ3 従業員に感謝の気持ちを伝える


従業員があなたの弱さを受け入れ、素晴らしいアイデアや、解決に支援が必要な課題を挙げるようになったら、きちんと礼を言おう。従業員が改善の提案をしていることにリーダーがいら立っているように見えると、前のステップで実践してきたあらゆる行動の効果がすぐに薄れる。

弱い存在に見えることなく弱みを見せる鍵は、これが自分たちのアイデアなのだという印象を常に持たせることだ。課題を共有することは自分たちのアイデアで、上司に怒られたからやっているのではない。従業員から素晴らしいアイデアを集めるのは自分たちのアイデアで、私たちは自分の本質的な能力には自信があるため、賢い従業員に脅威を感じるなどということは頭にもないのだ。

弱みを見せることはリーダーにとって恐ろしいことかもしれないが、積極的に取り組み、課題の共有と他者からのアイデアを求めることをきちんと実践すれば、問題を絶対に認めようとしないリーダーよりもはるかに強い存在に見えるだろう。

翻訳・編集=出田静

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