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Freightliner Cascadia (c) Daimler

アルファベット傘下で自動運転車両の開発を行うウェイモは10月27日、ダイムラーのトラック部門と提携し、自動運転トラックを共同開発すると発表した。ウェイモは、10年以上に渡って培った自動運転技術を、ダイムラーが展開する「Freightliner」ブランドの大型トラックに搭載する。

まずは、米国の高速道路を走行する大型トラック「Freightliner Cascadia」を対象に、ウェイモのソフトウェアやコンピューティング・システム、LiDAR、カメラ、レーダーなどを搭載する。両社は、自動運転レベル4の大型トラックの完成時期を明言していないが、「数年後には米国の顧客に提供できる」としている。将来的には、欧州など他地域でも商用の自動運転車両を共同開発する計画もある。

「ある領域のトップ企業が、別の領域のトップ企業と組んで革新的な製品を共同開発することは珍しいが、我々はまさにそれを実現しようとしている」とウェイモのジョン・クラフチックCEOは述べた。

ウェイモは、11年前にグーグルの自動運転プロジェクトとしてスタートして以来、業界リーダーとしての地位を維持し続けている。競合の「TuSimple」は、今年9月にフォルクスワーゲン子会社の商用車部門「トレイトングループ(Traton Group)」とグローバルパートナシップを締結している。現在、ウェイモとTuSimpleは、自動運転トラックの商用化を巡る競争で他社をリードしている。ウェイモは、フィアット・クライスラーやボルボ・カー、ジャガー・ランドローバーと、自動運転技術を搭載したデリバリー車両や乗用車、軽トラックの開発で協業している。

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くウェイモは、米国で最も多くの自動運転車を公道で運用している。同社は、これまで親会社であるアルファベットから資金支援を受けてきたが、今年に入って初めて外部資本を受け入れ、30億ドルを調達した。

資本提携を含まない「技術的な提携」


ウェイモは今年、自動運転トラックや配送車両を用いた「Waymo Via」と呼ばれる輸送サービスを立ち上げ、8月にはダラスにトラックの輸送拠点を設けている。同社の主力事業であるロボットタクシーサービス「Waymo One」は、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて休止していたが、今月に入ってアリゾナ州フェニックスでサービスを再開している。

これまでは安全のために人間のドライバーを同乗させていたが、今後は完全無人化に移行するという。

ダイムラー・トラックのマーティン・ダウム会長によると、両社の提携は純粋に技術的なものであり、資本提携は行わないという。「映画を見にいくために結婚する必要はないのと同じだ」とダウムは述べている。

「テスト車両をかなりの台数走行させることになるだろう」とクラフチックは述べているが、具体的な数は明らかにしていない。米運輸省のデータによると、現在ウェイモは大型トラックを13台テスト運用している。

一方、ロボットタクシーや配達車両では、フィアット・クライスラーのハイブリッドミニバン「Chrysler Pacifica Hybrid」を500台運用している。また、ジャガーと共同開発した全電動クロスオーバー車「I-Pace」の台数も増えている。

ダイムラーは、自動運転スタートアップの「Torc Robotics」を2019年に買収しているが、ウェイモとの提携は自動運転トラックの開発競争において大きな追い風になるだろう。

「ウェイモとの協業により、顧客であるフリート企業のニーズに合った最適なソリューションを提供できるようになる」とダイムラー・トラックス・ノース・アメリカのCEOを務めるRoger Nielsenは述べている。

編集=上田裕資

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