トヨタの自動運転を支援するソフトウェア企業「Applied Intuition」の躍進

David Becker/Getty Images

テスラやウェイモなどの企業らが自動運転分野で先を争う中で、一般的にはほぼ無名のベイエリアの新興企業が、ユニコーンの地位を獲得した。

2017年創業の「Applied Intuition」は自動運転の開発に取り組むエンジニア向けのソフトウエアを提供する企業だ。同社は10月22日、既存出資元のLux Capitalやアンドリーセン・ホロウィッツ、ゼネラル・カタリストらが主導したシリーズCラウンドで1億2500万ドル(約130億円)を調達したと発表した。

関係筋によると今回の調達で、Applied Intuitionの企業価値は12億5000万ドルに達したという。出資に参加したLux Capital幹部のBilal Zuberiは、同社の取締役に就任する

カサール・ユニスとピーター・ルドウィグによって2017年に設立されたApplied Intuitionは、シリコンバレーと伝統的な自動車メーカーの架け橋としての役割を担っている。

グーグルに買収されたスタートアップ「TalkBin」の共同創立者で、後にスタートアップアクセラレーター「Y Combinator」のCOOを務めたユニスは、ミシガン州のゼネラルモーターズ工科大学の卒業生だ。そして、ルドウィグはミシガン大学で学士号と修士号を取得している。

2人はカリフォルニアに移住後に、自律走行の研究を進める企業向けのソフトウェアの開発を開始した。

自動運転分野ではウーバーやテスラ、ウェイモなどの話題で持ちきりだが、Applied Intuitionの台頭は、この分野では他にも数多くの企業が先端技術の開発に挑んでいることを教えてくれる。同社は自動運転トラックのKodiak Roboticsや自動運転タクシーのVoyageのようなテック系スタートアップと提携する一方で、トヨタやスウェーデン本拠のトラックメーカーSCANIA(スカニア)などの大手への技術提供を、主な収益源としている。
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編集=上田裕資

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