そのニューヨーク市内にあるレストランのなかには、店舗の前の歩道に「バブル・ダイニング」用のポッドを設置するものが増えている。そして、感染症の専門家らはこれについて、「非常に危険な環境を生み出す可能性がある」と強い懸念を示している。
気温が低下するなか、屋外で飲食する顧客のためのこの「バブル」は、必ずしも新しいものではない。だが、パンデミックが続くなかで、使用すべきものだろうか?
カナダ・トロント大学のデビッド・フィスマン教授(疫学)によれば、それは「一緒にバブルに入るのが誰かによる」という。耐水性の素材でできているとみられるバブルは、明らかに換気に問題があると考えられるためだ。
教授は、「換気が悪いとみられるこのなかに友人たちと一緒に入れば、小規模な“コロナパーティー”(感染するためにあえて集まること)を開くようなものだ」と述べている。
バブル内は「3密」
同じような活動でも、屋内で行うより屋外で相手との距離を保ちながら行う方が、はるかに低リスクだとされている。それは主に、換気と空気の流れの違いによるものだ。つまり、ウイルスを含んだ呼気中の微粒子が拡散する速度は、屋外の方がずっと早い。
バブルの大きな問題点の一つは、レストランの店内よりも狭く、換気が悪い環境に、複数の人が閉じ込められるということだ。仮にバブルのなかに感染している人がいたとすれば、内部の空気中のウイルス濃度はあっという間に非常に高くなるだろう。
濃厚接触することなく感染したとすれば、原因は長時間にわたってウイルスに曝露したことだと考えられている。だが、バブル内の空気中のウイルス濃度が十分に高ければ、食事やドリンクを提供するためにバブルに出入りするだけのスタッフにも、感染のリスクが及ぶ危険性がある。