中須賀教授は軌道論から熱計算まで集中的に講義を実施した。最後のテストでは、技術者の多くが満点を取り、教授を驚かせたという。
また、地上に存在しない、宇宙空間に限りなく近い環境を再現、設定するための実験装置も、福井県の工業技術センターに設置した。
県立高校が開発した宇宙食が「JAXA認証」
宇宙産業への取り組みは、超小型衛星だけに止まらない。福井県立若狭高校海洋科学科では、宇宙空間でも美味しく食べることができる「鯖缶」を研究、開発し、2018年に宇宙日本食として宇宙航空研究開発機構(JAXA)より認証を受けている。まさに県をあげて宇宙産業に取り組む姿勢を見せているのだ。
これまで、人工衛星の打ち上げは、国や公共機関でないとできないという固定概念があった。
今回のプロジェクトで、福井県が中小企業や地方自治体でも宇宙産業に取り組むことができるという成功事例をつくることができれば、日本全体の宇宙産業への参入促進が期待できる。
「福井県=宇宙産業の拠点」を目指し、福井県の挑戦はこれからも続く。