ディズニーは9月末、運営するテーマパークの能力制限や入園者の減少を理由に、米国内の従業員およそ2万8000人をレイオフすると発表した。対象の約3分の2はパートタイムの従業員だという。
民主党の大統領候補指名を争ったウォーレンは13日付の書簡のなかで、ディズニーは経営幹部や株主への支払いを優先したことで「財務面の余力が著しく弱まった」と指摘した。
ディズニーは2020年度第2四半期に、配当として株主に16億ドル(約1670億円)を支払った。CNBCの報道によると、2019年には当時のボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)に報酬として4800万ドル(約51億円)近くを支出。また2009年から2018年に計479億ドル(約5兆500億円)分の株式を買い戻している。
ウォーレンは「ディズニーはパンデミック前もその間も、経営幹部と株主を手厚く扱いながら、現場の労働者には酷な仕打ちをしているように見える」と批判した。
ただ、ディズニーは今年3月、過去5年連続で年2回行っていた配当支払いを停止しており、株式買い戻しは2018年に中断している。
ディズニーの広報担当者は声明で、ウォーレンの書簡には「いくつか誤りがある」と反論した。また「ディズニーは世界各地で運営するテーマパークすべてで、厳格な衛生・安全手順を導入しており、責任をもって運営できることをはっきり示している」とも強調した。
そのうえで、「カリフォルニア州のディズニーランド・リゾートでは、キャストメンバーの大半を代表する労働組合側と従業員を職場復帰させることで合意しているにもかかわらず、州によって再開が阻まれている」と不満を示した。
コロナ危機のさなかに従業員よりも株主を優先しているという批判を浴びている企業は、ディズニーに限らない。報道によると、米石油大手のハリバートンや米建機大手のキャタピラーなども、従業員を一時帰休させたあと、通常どおり配当を支払っている。