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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

おにぎりや弁当、パスタ、飲料、酒類をロボットが商品棚に陳列する──。そんな「次世代型コンビニ」の1号店が2020年9月、オープンした。ローソンの「Model T東京ポートシティ竹芝店」だ。

DX(デジタルトランスフォーメーション)で業務効率化し、人によるおもてなしサービスをする時間を増やす。また、ファミリーマートも、ロボット開発スタートアップと提携し、都内店舗で商品陳列の実証実験をはじめることを発表。22年までに最大20店舗で展開する方針という。

このコンビニ大手2社が手を組んだのが、富岡仁がCEOを務めるTelexistence(テレイグジスタンス)社だ。同社は17年1月に創業。東京大学名誉教授、同社会長のたち すすむが1980年、世界で初めて提唱したテレイグジスタンス(遠隔存在)技術の概念に基づいた遠隔操作・人工知能ロボットの設計・製造・運用を行う。テレイグジスタンスとは「遠隔のロボットを自分の分身として利用し人間を時空の制約から開放しようとする」概念である。

そのテレイグジスタンス社に18年11月、シリーズAで投資をしたのが、渡邊拓が投資ディレクターを務めるDEEPCOREだ。なぜ、渡邊は富岡率いる同社に投資をしたのか。


渡邊:我々は人工知能(AI)にフォーカスしたVCですが、「日本発、世界で勝てる」「人類規模でムーンショットを打てる」というスタートアップは、AIとハードウェアを掛け合わせることで生まれるのでは。そういう仮説を持ちながら、18年7月にはじめて富岡さんにお話を伺いました。

最初の印象は、「誰もやったことがない、一番難しいことを一番狂った手でやろうとしている」と(笑)。弊社CEOの仁木勝雅とともに2回目にお話ししたタイミングでその場で投資を決めました。

富岡:ベンチマークする企業がなく、リスクの高い事業を行っているので、投資判断が難しい。仁木さんは終始、無表情で「ダメだ」と思いながら話をしていたのですが、終わったら「やりましょう」と言われ「本当に!?」と驚いたことを覚えています。当時から「新しいコンビニを作って、ロボットを導入する」と話していましたからね。いまでこそDXの文脈で追い風ですが、構想段階の当時で「いいね」とその場で言ってくれたのは、渡邊さんと仁木さんだけでした(笑)。

渡邊:コンビニへのソリューション提供ではなく、「コンビニをつくる」ですから。荒唐無稽に見えるかもしれませんが、私たちの投資仮説の一つに「リアル店舗をつくり直さなければならないのでは」があったため、違和感というより納得感でした。

文=山本智之、写真=平岩 享

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