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米ギャラップの最新の世論調査によると、人口などに応じて各州に割り当てられた選挙人が大統領を選出する「選挙人団」制度について、廃止を支持する米国民が61%にのぼった。2011年以来、約10年ぶりの高い水準となっている。

劣勢が伝えられるドナルド・トランプ大統領の陣営は、選挙人団を利用して一般有権者の投票結果を覆すことをもくろんでいるとの報道もあり、11月3日に迫った今年の選挙を機に、この制度に対する詮索が厳しくなっていることが裏づけられた格好だ。

選挙人団は米国憲法に基づく制度で、大統領は各州に配分された計538人の選挙人によって選ばれることが規定されている。選挙人は歴史的に一般投票で選ばれてきたが、法律などで義務づけられているわけではない。

ギャラップが8月31日から9月13日にかけて実施した調査では、憲法を改正して選挙人団を廃止することを支持した人の割合は昨年よりも6ポイント上がった。直近で最も高い2011年の62%に迫る高い比率になった。

支持政党別では、民主党員の89%、共和党員の23%、無党派の68%が廃止を支持した。民主党員の廃止支持率は、ギャラップがこの質問の追跡調査を再開した2000年以降で最高だった。

米誌アトランティックによると、トランプ陣営は一般投票の選挙結果を無視して、自身に忠実な選挙人を任命することを検討している。投票不正が想定されるとして、共和党の州議会議員らに一般投票の結果を拒むよう求めたという。実際は米国の選挙で投票不正はきわめてまれだ。

アトランティックはトランプ陣営の法律顧問の話として、州議会の議員からは「うちの州の選挙結果は正確だとは思えません。これがわたしたちの考える、選挙結果を適切に反映する選挙人の名簿です」とよく言われると伝えている。

選挙人の独自任命は、少なくともペンシルベニア州ですでに話し合われており、激戦州のうち共和党が上下両院で多数派を握る6州でも検討される可能性があるという。

直近5回の大統領選のうち、2回の勝者(2000年のジョージ・W・ブッシュと2016年のトランプ)は、一般投票の得票数では及ばなかったものの、選挙人の獲得数で勝って当選を果たしている。この「ねじれ現象」は、それ以前には米国の歴史を通じて2回(1876年と1888年)しか起きていなかった。

改憲して選挙人団を廃止するには、連邦議会上下両院での3分の2の支持と75%の州の承認が必要になる。一方、全米の一般投票の勝者に州の選挙人を与える州間の取り決め「全国一般投票州際協定(NPVIC)」への参加を促す取り組みも続けられている。

実質的に選挙人団を廃止することになるこの協定には、今年7月までに16州とワシントン特別区が加わっている。協定は、参加した州の選挙人の合計が過半数の270人に達すれば発効する。

編集=江戸伸禎

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