程度の差はあるものの人は「考え方のクセ」を持っています。「考え方のクセ」はその人の個性のひとつと考えることもできます。
「考え方のクセ」が気分や行動に影響することは上述の通りですが、これによってストレスを大きく感じるのであれば、まず自分の「考え方のクセ」に気づき、そして必要があれば、それを変えてみることで、ストレスの軽減につなげることができます(図6)。
図6 ストレス軽減には「考え方を変えてみる」ことが有効
「ストレスを溜めないための行動や考え方を工夫する」ことを実践するために必要な知識、技法ついてご理解いただけたでしょうか。
1. ストレスへの気づきをすすめる
2. ストレス解消行動をルーティン化する
3. 自分の考え方の「クセ」を知り修正する
この3つを理解することで、より前向きな対応ができるようになることを目指してください。
鈴木英孝◎1993年産業医科大学卒業。米国総合エネルギー企業エクソンモービル社日本法人、アマゾンジャパン合同会社の産業医としてグローバルな産業保健活動を経て独立、現在アッシュコンサルティングサービス代表社員。専門は職域の感染症管理、健康経営、化学物質管理、喫煙対策などを含む「産業保健」。新型コロナ ウイルス対策を始めとした感染症対策、労働衛生マネジメントシステムの国内導入を進め、さらに学会活動を通じて欧米型の産業保健活動を広く国内に紹介する。