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2020.10.07 08:30

「完成という概念はない」日産、VW、BMWのリブランディングが象徴する進化


BMWのリブランディング事例


最後に紹介するのはBMWの事例。同社は2020年の3月にリブランディングを行い、ロゴのアップデートも行った。その結果は、前出の2つの事例と同様に、メタリック、立体的なものから、フラットなデザインになった。

加えて、BMWは、ロゴの背景を透明にするという大胆なデザインを採用した。そして、このアップデートに対して、世界のデザイナーの間で議論が広がっている。

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BMWのロゴ遍歴


BMWのブランド名は、Bayerische Motoren Werkeの頭文字を取ったもの。元々は軍用飛行機のエンジンを製造しており、その歴史は100年以上も前の1917年に遡る。その当時はBtoBのビジネスモデルであったこともあり、当初ブランドロゴはなかった。

一般的には、ロゴのモチーフは飛行機のプロペラだとされることが多いが、実は、本社のあったブラビア州のシンボルカラーの青と白を採用したとのこと。ある日、飛行機を掲載した広告を採用したことで、そのロゴがプロペラをモチーフとしているという噂が広がったという。

その後、時代と共に微調整をかけているが、初期のデザインから大きな変更はない。

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BMWの新しいロゴを分析


今回のリブランディングでは、デジタルネイティブの若い層をターゲットにし、その層によりアピールするスタイルを採用している。具体的には、立体的なグラデーションを廃止し、思いっきりフラットなスタイルに振った。

そして、顧客に対して自動車メーカーよりも、リレーションシップブランドとしてのポジショニングを優先した事によるリデザインである。同社の100年以上の歴史の中でも、最も大胆なリブランディングと言っても良いだろう。

下記に細かなポイントを掘り下げていく。

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1. オープンさと透明性の高さをロゴにも反映
このロゴの最もユニークなところは、BMWの文字が記載された円のエリアが透明になっていること。これは、オープンさと透明性の高さをモチーフとしている。

その一方で、この試作はかなりギャンブルでもある。というのも、ロゴが置かれる背景によっては、ブランド名が読みにくくなったり、ロゴの一貫性が下がるからだ。デザイナー的な視点で見ると、まるでデザインファイルから背景レイヤーを誤って削除したまま出力したようにも見える。

2. 伝統よりもモダンな未来を想起
今回のリブランディングでは、フラットなデザインを採用することでこれまでのBMWのブランドを大胆に刷新した。それにより、100年以上続く同ブランドの伝統を武器にするよりも、より現代、そして未来に向かって進んでいるイメージを与えることができるだろう。

既存のBMWファンの中には多少残念に思う人もいるかもしれないが、これからブランドに接し始める新規ユーザーに対しては、よりフレッシュなイメージを届けられるだろう。

3. インスタ映えを優先
実はこの新しいロゴ、背景などを入れ替えることで、かなりインスタ映えする。BMWの公式インスタアカウントでも、動画がアップされている。デジタル時代に最適化されたロゴであると言えると同時に、自動車メーカーの枠にとらわれない同社の意気込みを感じる。

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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax inc.)

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