異変に気づいた時は重症化。「終わりなきスマホゲーム」がもたらす本当のリスク

樋口進著『スマホゲーム依存症』

内外出版社は、2020年9月18日、書籍『スマホゲーム依存症』の4刷重版を決定した。

世界保健機関(WHO)が新しい「病気」に認定した「ゲーム依存」の健康リスクをネット依存治療の専門医がわかりやすく解説する。

「ゲーム依存」とは、ネットゲームに没頭するあまり生活に重大な支障をきたしてしまう状態のこと。WHOが病気の国際的な統一基準・国際疾病分類(ICD-11)に「ゲーム依存」を盛り込んだことで、世界各国での議論が過熱している。

本書は、WHOと共同プロジェクトを組み「ゲーム依存」の疾病化の流れを主導した、依存治療の第一人者による書き下ろしだ。著者が作成に携わった「ゲーム依存」診断ガイドラインの最新草稿(第3章)に基づいて、若い世代から働き盛り・子育て世代へと拡大を続けるスマホゲームの依存リスクに警鐘を鳴らす。

いつでも、どこでもプレーでき、「クリア」という概念を持たないスマホゲームには、大きな依存リスクがある。スマホゲーム依存は他の依存に比べて進行が速く、本人または家族が異変に気付く前に重症化するケースが多いことも特徴だ。

最新の研究は、ゲーム刺激がもたらす反応の結果、脳が破壊され、萎縮していくことを明らかにしている。「ガチャ(課金)」の刺激が脳内に引き起こす反応はギャンブル依存患者のそれと酷似しており、きわめて高い依存性を備えている(第4章)。

スマホ依存やインターネットゲーム依存の把握に役立つスクリーニングツール(第3章)、スマホゲーム依存の自己チェックツールと予防法(第5章)、医療現場で効果を上げている治療法(第6章)のほか、本人への「声掛け」のタイミングや言葉の選び方など、スマホゲーム依存患者の家族に役立つ実践対応(第7章)も収録。

あらゆる角度から「スマホゲーム依存」への対策を網羅した決定版となっている。


『スマホゲーム依存症』


発売日:2017年12月26日
ページ数:240ページ
本体価格:1280円
著者:樋口進(ひぐち・すすむ)
精神科医。独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長。インターネット依存等の行動嗜癖、アルコール関連問題の予防・治療・研究などを専門とする。2011年に国内初のネット依存治療専門外来を設立。WHO専門家諮問委員、行動嗜癖に関するWHO会議およびフォーラム議長、厚生労働省アルコール健康障害対策関係者会議会長、同省依存検討会座長(2013年)、国際アルコール医学生物学会(ISBRA)理事長、国際嗜癖医学会(ISAM)理事などを務める。著書に『スマホゲーム依存症』(内外出版社)、『ネット依存症』(PHP新書)など多数。

PR TIMESより

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