東京とパリ、二つの都市をテーマにしたバー「ヴェルテュ」では、異なる文化の「コントラスト」が楽しめる。アール・デコの内装に対し、和にインスパイアされたジャンルに分けられたカクテルメニューは、見ているだけでも楽しい。
バー「ヴェルテュ」
コニャックとフレンチリキュールの品揃えが圧巻で、他ではなかなか見かけない樽熟成したシャルトリューズ、VEPもオンリスト。日本人なら郷愁を掻き立てられるメロンソーダのカクテルなど、シックなインテリアとのコントラストも魅力だ。
その「コントラスト」の様々な側面に惹かれて集まる、多様な人々を結びつけるのが、行き届いたサービスだ。スタッフの多くがマルチリンガルなだけでなく、今の時代らしいサービスも。それは、フォーシーズンズホテルズ アンド リゾーツで2017年からスタートした、「フォーシーズンズ チャット」。
既存の9つのメッセージサービスを使い、様々なリクエストができる。従来は、部屋のキーを置き忘れてしまった場合はエレベーターなどでロビーまで戻る必要があったが、メッセージを送るだけで、カードキーを持ったスタッフがすぐ来てくれる。
私もメッセンジャーを使って公式サイトにメッセージを送る形で利用したが、返信の速度の速さに驚いた。基本的に90秒以内の返信を目指しているのだという。さらにホテル側では受け取ったメッセージが100カ国以上の言葉に自動変換されるため、日本語以外の言語でも即座に対応が可能だ。
デブリト氏と話している中で、「コントラスト」とは、多様性を内包するダイバーシティそのものであり、その幅広さを受け入れられる柔軟性を意味しているのだと感じた。いつか、もう一度国境を超えて自由に往来ができる事になったその時には、きっと多様な人種や国籍の人々が東京に集い、交流を深める事になるだろう、このホテルはきっと、その多様性が織りなすコントラストを、そっと包み込む受け皿となることだろう。