3. 内定後に必要な素養:情熱的で人の心を動かせる
内定後の段階では、応募者を品定めするよりも、彼らの心に火を付ける能力が求められる。具体的には以下の2つの側面がある。
人の心を動かせる情熱
面接は人と人で行うもの。それゆえ、応募者が「この採用担当者と一緒に働きたい」「この人がいる会社なら安心だろう」と感じられたときに、ぐんと志望度が高まることもある。そのため、応募者に信頼して、魅力的に思ってもらえる採用担当者であることが理想的だ。信頼してもらうためには、応募者の話を真摯に聞く姿勢が必要。
また、ときには「あなたの力が必要です」「ぜひ一緒に働きましょう」など、グッと踏み込んで熱意を伝え、応募者の心を動かすことが求められる。
仕事内容や魅力への理解力、表現力
応募者から見て、仕事内容や条件を淡々と説明されるだけでは心は動かない。いろんな期待や不安を抱える応募者の心の内を想像した上で、自社の魅力や仕事のやりがい、環境や働く人の魅力などを伝えることが大切である。
生き生きと自分の言葉で語る採用担当者の姿を見て、応募者は安心することができ、入社を前向きに考えることができるようになるからだ。自分の言葉で語るためには、自社に対して愛着を持っていることはもちろん、経営者の思想や現場への理解など、会社を知り尽くしていることも大切だ。
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採用課題によってもどちらが重要かは異なる
内定前後それぞれに必要な能力を挙げてみると、内定前は冷静沈着でクールなタイプ、内定後は情熱的でウエットなタイプという、正反対な気質が求められるだろう。
別の観点で考えると、企業の採用課題によっても求められるタイプが異なってくる。
ポテンシャル重視の採用をしている企業や、多数の応募者から厳選して採用をしたい企業は、内定前に応募者を見抜ける採用担当者が適任だ。一方で、内定辞退の多さが課題になっている企業は、応募者の動機付けや密なコミュニケーションに長けたタイプの採用担当者を強化した方がうまくいくといえる。
まとめ
魅力的な人材を採用して、内定辞退や採用後のミスマッチを避けるためには、ジャッジとフォローの両方が重要だ。
理想的には、ジャッジタイプとフォロータイプの採用担当者を組み合わせてチームをつくり、役割分担を行うことである。しかし、リソース上そうした配置が難しい場合や、1人で採用活動を行わなければならない場合も多い。
その際には、自社の置かれているステージや採用課題によって、どちらのタイプを抜擢するかを考えたい。また、今の体制を変えられない場合は、採用担当者自身がどちらのタイプに該当するのか、強みと弱みは何であるのかを把握した上で、足りない要素を意識的に補うことが望ましい。
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