テクノロジー

2020.08.12 07:00

ソニー「VISION-S」試乗体験 これぞ新時代のEVかもしれない


オーディオビジュアルの技術とUIを車内向けに最適化


センサーが取得した情報を、ドライバーが運転しながら直感的に見て、操作ができるインターフェースに落とし込むノウハウもソニーが得意とするところだ。VISION-Sには車内フロント側のインパネ部分全面に広がる「パノラミックスクリーン」が配置されている。

ソニーが培ってきた映像技術、モバイル端末の開発から得たユーザーインターフェースの知見を活かした巨大なディスプレイには走行情報やエンターテインメントを自在に映し出せる。


車内前面に展開するパノラミックスクリーン。ハンドルの周囲にもカメラボタンなどインターフェースを配置する

シームレスにつながっているように見えるスクリーンは複数のタッチパネルディスプレイにより構成されている。例えば助手席に座る同乗者が目的地までのルートを検索して、地図を表示したスクリーンをドライバー席に近い側のスクリーンにスイッチして見せるといった使い方ができる。


助手席で地図を検索し、ドライバー側に切り換えることも可能。エンターテインメントコンテンツの高精細な表示も

VISION-Sにはバックミラーやサイドミラーを搭載する代わりに、車体の内外に設置したカメラで撮影した画像をパノラミックスクリーンに表示する技術が搭載されている。もし夜間に運転する場合、暗所でも明るく色鮮やかな映像をキャプチャできるソニーのイメージセンサーと高精細なスクリーンによる表示がドライバーの安全走行を力強くサポートしてくれそうだ。


ドライブレコーダー機能も搭載。内部のメモリーから映像ファイルをエクスポートすることも可能だ

新世代の自動運転モビリティでは、ドライバーがハンドルを握って運転することから解放され、車内空間の中でリッチなエンターテインメントを楽しむ時間が増えると言われている。

ソニーの技術が作り出す「快適な車内エンターテインメント」を実現する技術を見せるためのコンセプトカーでもあるVISION-Sには、ソニー独自の立体音響技術である「360(サンロクマル) Reality Audio」のサウンドも体験できた。


車内空間で立体サウンドが楽しめるソニー独自の「360(サンロクマル) Reality Audio」にも対応

VISION-Sの車内は座席が固定されているため、それぞれの座る位置が迫力あふれるサウンドが楽しめるスイートスポットになる。360 Reality Audioが自動車空間と相性の良い技術であることを改めて実感した。


各シートの座席にスピーカーユニットが内蔵されている
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文・写真=山本 敦

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