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テック系有力企業のバリュエーションは現在、ドットコム・バブル以降では最も高いレベルにある。一方で、たくさんの投資家がテック系大型株に資金を集中させている現状に対しては懸念がある。ひと握りの銘柄に投資が過度に集中すれば、株価が下振れするリスクがある、と警告する声も上がっている。

米国の株式市場は、新型コロナウイルス感染拡大への懸念から一時は大幅に下落したものの、3月に底を打ってからは目覚しい反発を見せている。その主な要因は、ひと握りの有名テック系企業の株式への投資資金の集中だ。

この数カ月で、アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル(アルファベット)、フェイスブックの株価は急騰し、市場の反発を先導している。

2020年に入って以来、S&P 500種指数は年初とほぼ同じレベルだが、フェイスブックとグーグルの株価は10%以上、アップルとマイクロソフトは25%上昇。アマゾンに至っては57%急騰している。

これらの有名企業を、資金の安全な避難場所と捉えている投資家は多い。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって先が見えない状況が続くなかでも、オンラインビジネスに関しては堅実な利益や売上が見込めると彼らは期待している。こうした考えが、他のセクターの株価が大幅に落ち込むなかで、テック系企業の大型株が支持される理由となっている。

現在、上に挙げた5社の合計時価総額は、S&P 500種全体の約22%を占める。これは史上最高レベルであり、このような一極集中の状況はウォール街に懸念を引き起こしている。

これは単純な理屈で、これら5社の株価が下落すれば、株式市場全体がそれに引きずられ、さらに落ち込むのではないかと懸念しているのだ。そしてここ数週間、その兆候はすでに現れ始めている。

バイタル・ナレッジ(Vital Knowledge)の創業者アダム・クリサフリ(Adam Crisafulli)は、「テック系の大型株があまりに強いこうした現状は、株式市場では警戒すべきサインだ。投資家は、航空会社やクルーズ運営会社など、経済活動の再開に関連する銘柄には手を出していない」と指摘する。

「これは決して楽観すべきサインではない。(中略)投資家がテック系大型株に目を向けているのは、かつて公益事業系の企業に注目していたのと同様の理由だ。強力なビジネスモデルがあり、非常に大きな成長の機会を有しているので、現在のような不確実な状況でも成長を続けるだろうと、投資家たちは考えている」とクリサフリは述べた。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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