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2020.07.21 16:30

バーガーキングの「温暖化防止バーガー」は誇大宣伝、米科学者

rblfmr / Shutterstock.com

米国のハンバーガーチェーン大手「バーガーキング」は先日、地球温暖化の原因となるメタンガスの排出を33%抑えたワッパーを発表したが、科学者らは同社の発表が誇張で、排出削減効果はわずか3%だと指摘した。

バーガーキングは7月14日、メタンの排出量を減らす牛の餌を開発し、この餌で育った牛の肉を原料とする“サステナブル”なワッパーの販売開始をアナウンスした。この餌にはレモングラスが配合されており、それを食べた牛のおならやげっぷを少なくし、メタンガスの排出を33%も抑える効果があるという。

しかし、Popular Scienceの取材に応じた科学者らは、仮に牛たちが屠殺場に送られるまでの6カ月の間、レモングラスのみを与えられたとしても、それ以前の期間にほぼ一生分のメタンガスを放出しており、3%程度の削減効果しかないと話した。

バーガーキングのマーケティング主任のFernando Machadoは、フォーブスの取材に、今後さらなる研究が必要になることを認めた。「当社は今後も研究を進め、様々な種類の牛や餌、そして餌を与える期間について調査を進めていく」と彼は述べた。

バーガーキングは“メタン削減版ワッパー”をマイアミやニューヨーク、ロサンゼルスの一部の店舗限定で発売している。同社が実施した、メタンガスの削減効果の研究の論文は公開されておらず、バーガーキングの自社の資金で行われていた。

カリフォルニア大学デービス校のアニマルサイエンス部門のAlison Van Eenennaamは「バーガーキングの主張を裏づける査読済みの論文は、私が調べた範囲では存在しない」とツイートした。

ただし、バーガーキングのMachadoによると、レモングラスを牛に与えるとメタンガスの排出が抑えられるのは本当だという。「我々の研究では、1日あたり100グラムのレモングラスを餌に加えると、メタンガスの排出が最大33%抑えられることが分かった。この論文は査読済みで、公開の準備を進めている」と彼は話した。

メタンガスは二酸化炭素を大幅に上回る、地球温暖化の効果をもたらしている。過去20年間で、メタンガスは二酸化炭素の84倍の温暖化効果を及ぼしたとされている。

NPO団体の環境防衛基金(Environmental Defense Fund)は、地球温暖化の速度を緩める上で最も効果的なのは、メタンガスの排出を抑えることだと述べている。

編集=上田裕資

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