キャリア・教育

2020.07.17 09:00

採用ブランディングの意義、メリットを再考する。「応募の質」を高めるために


ブランドイメージを発信する


発信すべきコンセプトが定まったら、いよいよ実際にメッセージを発信していく。
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メッセージについては、コピーライティングをはじめとした専門的なスキルを、時には外部のリソースも動員しながら開発していくことが一般的だろう。ここではその各論には触れず、採用担当者が知っておくべき「発信チャネル」と「発信形態」の考え方について紹介したい。

下の図のように、必要な人材はどのようにして自社の情報を収集するか、そのタッチポイントを明確にすることが最初のステップだ。

採用活動におけるタッチポイントの例
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ここで大切なのは、求職者との接点をどう持つか、である。

求職者に自社を認知してもらうには、採用説明会のほかにもテレビCM、店舗や商品といった多様なタッチポイントが考えられる。そのタッチポイントは意外なところにも存在する。

例えば、ある食品メーカーでは10年以上前から、書類選考に落選した求職者に宛てて、エントリーへのお礼状や自社商品を送っていたという。この取り組みがSNSに投稿されたことによって、一般にも広く知れ渡り話題となった。

SNSはテレビや雑誌と異なり、無名の一個人が、自らの発信によってインフルエンサーとなり得る情報発信媒体だ。消費者の客観的な目線で、リアルかつ率直な情報を拡散する点で自社からの発信とは違った影響力を持つ。採用ブランディングは、こうしたインパクトも加味することで包括的でダイナミックなマーケティング戦略となるのである。

最後に:採用ブランディングを通じて、採用活動にブレイクスルーを


採用ブランディングが成功した暁には、大きなメリットが得られる。その分、一朝一夕で効果を出すことは難しいのもまた事実だ。

これまで行ってきた「できるだけ多くの求職者に応募してほしい」という応募数ありきの考えから脱却し、自社のニーズにあった求職者と的確にマッチングし「応募の質」を重視した考えに切り替えることは、採用活動における1つのブレイクスルーになるだろう。

その姿から逆算して、誰に対して、どういった情報を、どう発信するのか決めることがポイントになる。“自社らしさ”が際立つ方法で、求職者とあらゆる接点でかかわり続けること、それが採用ブランディングの本質だ。

「どんな社員と一緒に働くことができるか」
「どんな形で社会の発展に貢献しているのか」

まずは、こうした自社の価値を再定義し、それを表明することがブランディングの第一歩だ。


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文=小野祐紀

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