キャリア・教育

2020.07.17 09:00

採用ブランディングの意義、メリットを再考する。「応募の質」を高めるために


採用ブランディング実践に向けて取り組むべきこと


ここからは、今すぐ実践できる採用ブランディングのステップについて解説していく。
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ただ闇雲に情報を発信していくのではなく、自社はどのような人材が欲しくて、どのようなメッセージやコンセプトに共感し、どのようにして情報収集をしているのかを把握しよう。

必要とする人材を明確化する


まずは自社の置かれた状況の理解(強みや課題)、必要な人材像を明確にすることが重要である。具体例としては、次のような項目を吟味する。

・スキル:どのような職種を求めていて、どんな経験や実績があるとよいか
・マインドやビジョン:どのような働き方・生き方をしたいか
・社風:自社の社風を言語化し、それに合うかどうか
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なお、自社ブランディングに引っ張られるあまり「応募職種」と「業務内容」が乖離しないようにする注意は必要だ。「クリエイティブアナリスト」や「マーケティング」をうたっていても実態は営業だった、といったギャップは、後々の離職率増加や、退職者を通した悪評にも繋がってしまうため避けたいところだ。

自社の採用ブランディングのためのコンセプトを決める


並行して、求める人材に響く自社の特徴について考える。

自社がもっているアセットのうち、どのような側面が応募者に良い印象を与え、共感を得るのか。仮説をもとに「自社にとって望ましいブランドイメージ」をつくり上げていく。

その際のポイントは、他社との違いも踏まえて自社を見つめること。

例として、オリエンタルランドを例に考えてみたい。ディズニーランドと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

笑顔とホスピタリティが印象的なキャストもその1つかもしれない。が、それだけではオリエンタルランド独自のブランドイメージとは言い切れない。なぜなら、笑顔とホスピタリティが印象的なスタッフはユニクロにもいるし、スターバックスにもいるからだ。

そうしたなかで、オリエンタルランドが独自性を築ける面はなにか。たとえば、「夢の国」はその一つだ。ディズニーリゾートという“夢の国”で来場者を楽しませ、感動や思い出を提供する。そうした価値観がブランドを体現するイメージの一端になる。

このように事業の仕組み、企業の存在意義や哲学を見つめ直すことが、自社の立ち位置や「この会社だからこそできること」=自社ブランドのコンセプトの発見につながる。

ちなみに、人材欲しさに背伸びしたメッセージを発信する必要はないし、それが本来の自社の姿と異なっていれば、それこそ採用後のミスマッチが生まれてしまう温床にもなるので注意が必要だ。

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文=小野祐紀

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