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2020.07.16 06:30

NYのホテル専用「ゴーストキッチン」が16億円調達で成長加速

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東欧のモンテネグロから米国に移民した父のもとで育ったPremtim Gjonbalicは今から20数年前、ニューヨークのホテルのレストランの仕事を手伝っていた。彼はその当時から、小規模なホテルのルームサービスがいかに非効率なビジネスであるかに気づいていたという。
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「部屋数が150室ほどのホテルのレストランを黒字化するのは、非常に困難だ。ホテルは顧客のアメニティとして、ルームサービスを提供しているが、サービスを維持するためには週に7日、3交代制のシフトを組んで料理人を常駐させておく必要がある」

Gjonbalicは2015年に、オンデマンドのルームサービスに特化したゴーストキッチンのスタートアップ「Butler Hospitality」を立ち上げた。同社は先日のシリーズA資金調達で、1500万ドル(約16億円)をニューヨーク本拠の投資ファンド「&vest」の主導で調達した。今回のラウンドには既存出資元のScopus Venturesやクラフト・グループ、Loeb.nycらも参加した。

Butler Hospitalityの評価額は8500万ドルとされている。同社は休眠状態にあるホテルのレストランのキッチンを活用し、複数のホテルに食事を提供している。
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同社はニューヨークで4つのキッチンを運営しており、119のホテルに料理を届けている。Butler Hospitalityの顧客リストにはヒルトンやマリオット、ホリデーインなどの大手の名が並んでいる。

同社がサービスを提供する客室数は現在、3万室に及んでおり、年内にフルタイムの社員数を250人まで増やす予定だ。さらに、シカゴやマイアミ、ワシントンD.Cへの進出も計画している。

Butler HospitalityのオペレーションはB2B2Cモデルとなっており、顧客らは同社に直接注文を行うが、売上の10%はホテルの取り分となる。

旅行業界はパンデミック後に甚大なダメージを受けたが、Gjonbalicはホテルのルームサービスの需要が今後も高まると見込んでいる。Butler Hospitalityは2018年のシードラウンドで500万ドルを調達しており、累計の調達額は2000万ドルを突破した。

「従来のホテルのルームサービスは法外に高く、顧客らは長時間待たされるのを嫌がってサンドイッチなどの軽食しか注文していなかった。当社は既存のルームサービスのイメージを破壊し、この分野に革新をもたらしたい」とGjonbalicは話した。

編集=上田裕資

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