大企業であれ小規模店舗であれ、事業主は顧客に非接触型の経験を提供する方法を模索している。米疾病対策センター(CDC)が出した旅行者向けガイドラインには、可能な場合は必ず非接触型のサービスを使うとの項目も含まれている。
つまり、現金やクレジットカードはNGとなり、非接触型の支払いに取って代わられるということだ。レストランでは紙のメニューの代わりにデジタル版メニューが使用されるようになる。
こうした非接触型技術の多くは、QRコードを使ったものだ。QRコードは1990年代半ばから使われていたが、新型ウイルスの流行を受けて大きな復活を果たしつつある。
QRコードの仕組みは基本的に、スーパーのバーコードと同じだ。スマートフォンで黒い四角とドットのコードをスキャンすると、その情報からリンクが読み取られ、メニューのPDFなどが表示される。
スマートフォンでQRコードを読み取る方法
iPhoneやiPadでは、QRコードの読み取りは簡単で、カメラアプリにその機能が備え付けられている。カメラのアプリを開き、背面のカメラがぶれずにQRコードをはっきり映す状態にする。シャッターボタンを押す必要はなく、かざすだけでコードを認識して通知を表示するので、それをタップすれば目当ての情報が手に入れられる。
大半のアンドロイド携帯にもカメラにQRコード読み取り機能が組み込まれているが、そうでなければ「グーグルレンズ(Google Lens)」アプリをダウンロードすることでこの機能が利用できる。
内蔵QRコードリーダーの使い方がどうしても分からない場合は、iOSでもアンドロイドでも、簡単に使えるQRコード読み取りアプリがある。
ペイパルもQRコードに対応
アップルペイやグーグルペイ、サムスンペイなどのモバイルウォレットは、コロナ以前もクレジットカードより安全な支払い方法だった。トークン化と呼ばれるプロセスを通してユーザーの個人情報を暗号化するため、店がハッキング被害に遭ってもクレジットカードの番号はさらされないためだ。
チェーン店で買い物したりチェーンのレストランで食事をしたりする人にとってこれは朗報だが、モバイルウォレットでの支払いは小規模店舗ではまだあまり普及していない。
しかし最近、ゲームチェンジャーとなるかもしれない出来事があった。ペイパルのモバイルアプリに、QRコードをスマホのカメラでスキャンするだけでレストランや店舗、露天市などどんな場所でも支払いができる新機能が追加されたのだ。ペイパルを使えば、小規模事業者も新たな機材を購入することなくタッチレス決済ができる。QRコードは毎日の買い物でより大きな存在になることだろう。