ビジネス

2020.07.01 09:30

【独白】プロテニス選手・西岡良仁がスタートアップへの投資を決めたワケ

プロテニス選手の西岡良仁


ユーチューブチャンネルを始めたきっかけは、もともと自分がユーチューブを好きだったこと、怪我で動けずに時間を持て余していたこともありますが、何よりも大きかったのが「テニスをもっと多くの人に知ってもらいたい」という思いでした。
advertisement

当時、錦織圭くんと大坂なおみちゃんがツートップとして日本中の注目を集めていたのですが、他の選手にはなかなかスポットライトが当たらない。その原因を考えてみると、テニス選手は海外遠征が多く、日本にいることが少ないので取材が受けられず、そもそも露出の機会が少ない。また、試合開始のタイミングも前の試合に左右されますし、試合時間も長いので中継されにくい。四大大会で良い成績を残さないと、知ってもらえなかったんですよね。



でも今の時代は、フェイスブックやツイッターもありますし、ユーチューブもある。能動的に情報を発信できるツールがいくつもあり、なおかつ手軽に始められる。「やらない理由はない」と思い、まずはユーチューブから始めてみることにしました。
advertisement

実際、ユーチューブチャンネルを開設してみると、「なんでそんなことやってるの?」「テニスやれよ」と言われましたけど、その声は一旦無視して、動画の更新を続けました(笑)。ユーチューブをやることで、テニス選手のことを知ってもらえて、自分の認知度も上がる。また、靭帯を断裂してから現役に戻った人がいないと言われていたので、復帰までのプロセスを発信していくことも面白いな、と思ったんです。

膝を怪我していたときにどんなトレーニングをしたのか、車椅子に座ってテニスする姿を見せたり、作った料理を見せたり、海外遠征での生活を記録したり。選手やマネージャーしか知らない裏側の部分を見せることで、テニスに興味を持ってもらえるのではないかな、と思っていたので、発信するコンテンツに悩むことはなかったですね。

投資を通じて、ビジネスのやり方も学びたい


投資に関しては、昔からずっとやりたいと思っていたのですが、今まで機会がなく……。今回、アスリートのサポートをしている友人の紹介で、TENTIALの中西さんにお会いし、事業もそうですし、組織も面白い会社だな、と思ったんです。

僕自身、競技用のインソールはこれまでも使っていたのですが、TENTIALのインソールは従来のインソールとは全くの別物で、健康を目的に日常生活で使用する。「コンディショニング・インソール」という名前を聞いたときに、その発想は今までなかったと思いまし、僕たちアスリートは体が資本なので、疲労の軽減にもTENTIALのインソールは良いなと思いました。また、中西さんを筆頭にTENTIALで働くメンバーのほとんどが元アスリートですし、年齢も僕と同世代ということで共通点があったのも魅力的でした。
次ページ > お互いに成長していけたらいい

構成=新國翔大、写真=小田駿一、リタッチ=上住真司

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事