iPhoneが愛車のデジタルキーになる
デジタルデバイスがユーザーが持ち歩く物理的な携行品の代わりを果たせば、結果的にテクノロジーによってユーザーが日々処理しなければならないタスクを減らすことに貢献していると言えなくもない。
ウォレットに愛車のデジタルキーを登録できる。
iPhoneとApple Watchがついに愛車のデジタルキーになる。最初に対応する自動車として、今年7月に発売される2021年製のBMW 5シリーズを含むBMWの14車種が発表された。
オーナーはNFC機能を使ってiPhoneを車のドアにかざすだけで解錠できる。乗車後は車内の充電スタンドにデバイスを置き、スタートボタンでエンジンを始動する。デジタルキーはメッセージを使って家族に送って共有できる。万一iPhoneを紛失してしまった場合はiCloudから無効化することも可能だ。
2021年製のBMW 5シリーズなど14のBMWの車がiPhoneのデジタルキー機能を採用する。
NFCを使ったデジタルキーは年内からiOS 14とiOS 13、watchOS 6.2.8以降のプラットフォームで利用可能になる。
さらにその先には、アップルが開発した正確な空間認識のための超広帯域無線テクノロジー「U1チップ」を搭載するiPhoneによる施錠・解錠機能が来年のローンチを控えている。オーナーがポケットやバッグにいれた状態で車に近づくだけでキー操作ができる点が特徴だ。WWDC20の実施時点ではU1チップを搭載するデバイスはiPhone 11シリーズだけになるが、今後発売されるiPhoneや、その他の新しいデバイスにもU1チップの実装が広がると見て良いだろう。
iPadはApple Pencil入力とARを強化
iPadOS 14の進化はiOS 14に共通する点も多い。やはり画面にあふれる情報量をいかに整理整頓した形で見せて、生産性の向上を引き出すデバイスとしての価値を高めるところにアップルは注力してきた。
インターフェースの無駄を徹底的に削いだ箇所が3つある。Siri・検索・通話の着信だ。現状ではそれぞれ利用する際にタスクが画面全体に覆い被さるように表示され、作業中のアプリが見えなくなる。iPadOS 14ではFaceTimeや電話が着信すると、画面上に小さなバナーが表示される。Siriも画面の下に渦巻きのようなアイコンが小さく表示されるので、現在進行中のタスクを中断せずSiriに話しかけられる。検索表示もよりコンパクトなデザインになるようだ。同じインターフェースの改善はiOS 14にも採用される。
iPadOS 14でSiriを表示。アイコンが右下隅に小さく現れる。