■ Airbnb
2007年、サンフランシスコのアパートに住む2人の若者が、スタートアップとして何をやってもうまくいかないので、家賃が払えない状態におちいっていた。そのうちの一人、Joeが、当時ルームメイトでもあったBrianに送った一通のメールがAirbnbを生み出すきっかけとなった。
その内容は、近いうちに大きな規模のデザインカンファレンスが市内で開催される。それを狙って、家賃を稼ぐためにそれに参加するデザイナーを安い値段で下宿させてあげたらどうだろうか、というもの。それもアパート内の空いているスペースにエアマットレスを置くだけというカジュアルさ。
結果、2名を一人$80で滞在させた。他のサービスを作りながら、家賃を捻出するための苦肉の策であったが、その際の体験がきっかけで、これをサービスにすることにしたのがAirbnbの原型。その後、SXSW向けにサービスをリリースするがユーザーはわずか2名、その一人はBrian自身であった。
そんなこともあり、数々の投資家に投資を断られ、収益もない中、大統領選挙に合わせた候補者のイラスト入りのシリアルを販売。そっちの方が売れてしまい、迷走が続く。
しかし、その後根気よくユーザーと対話をし、サイトとコンテンツの改善を続け、現在では世界トップレベルのユニコーン企業にまで成長した。
インスタはその原型となるBurbn(バーボン)というHTML5をベースにしたチェックイン型ソーシャルアプリとしてリリースされた。その当時はチェックインアプリとしてFour squareが人気を集めており、人気を集めるのに苦戦をしていた。
同社のファウンダーでもあり、元OdeoでインターンをしたこともあるKevin Systromは、ユーザーのアプリの利用方法に1つの特殊なパターンがあることに気がついた。それは、チェックインアプリにもかかわらず、チェックインもせずに写真だけアップしているユーザーが多いということ。
それも、どうやら写真をアップする際のフィルターに人気の秘密があると突き止め、勇気を持ってBurbnを終了させ、Instagramとして作り変えた。当時は写真を保管するアプリとソーシャルアプリは多く存在していたが、その2つを上手に掛け合わせ、それもユーザーがフィルターを選んでいる最中にアップを行うことで、スムーズな利用体験を提供した。
それにより、多くのユーザーからの支持を集め、最終的にスタッフがまだ12人、収益がほとんど上がっていない状態にもかかわらず、Facebookによって10億ドルで買収されることとなった。
ちなみに、その当時のInstagramが入っていたオフィスは、元twitterのオフィス。そこに引っ越す前はDogpatch labsというサンフランシスコ湾に面したコワーキングスペースだった。このコワーキングスペースに当時のbtraxインターンである土屋尚史と一緒に訪問したことがきっかけとなり、彼はのちにGoodpatchを創業した。
初期の頃のInstagramチーム
■ Slack
写真共有サービスのFlickrのファウンダーでもあるStewart Butterfieldが、その後オンラインゲームのスタートアップを立ち上げた。数年たっても45人程度のユーザーにしか利用してもらえず、失敗。しかし、その当時社内のチーム向けに自社開発したコミュニケーションツールをプロダクトとしてリリースしたのが、現在のSlackにつながる。
2013年8月に招待制プレビュー版をリリースし、初日だけで8000の招待リクエストを獲得。2週間でその数は15000まで膨れ上がった。その後、プレビュー版に登録したユーザーを順次サービスに招待し、行動を観察してサービスを改善した。それを何度も繰り返すことで、多くのユーザーに愛されるプロダクトに成長した。