ライフスタイル

2020.06.28 11:30

スウェーデンのレジ袋有料化に見た「日本の男性にヒントあり」


まずわたしの行動に変化が見られたのは、スーパーだった。スーパーには専用の大型バッグが売られていて、それもプラスチック製のように見えるが、サトウキビを原料にしているという。かなり頑丈で、何年でも使える。実際わが家では、8年前に買ったのを、スーパー専用のエコバッグとしていまだに使っている。

サイズは大きくて、週末に1週間分の食料を1万円以上まとめ買いしても、2枚あれば買ったものがすべて入る。たっぷり詰め込むと重くなるが、両手にひとつずつ持って一気に運べるので便利だ。マチもしっかりあって、車のドアを開けるときなどに地面に置いても自立してくれる。スーパーのロゴが入っているだけのものが多く、デザインにはそれほどこだわっていない模様だ。

このスーパー専用大型エコバッグを使い始めてからは、レジ袋を買わなくなった。すると今度は自宅で使うゴミ袋が不足してきたので、サトウキビを原料にしたゴミ袋をロールで購入するようになった。プラスチックの袋よりも1ロール20枚当たり100円くらいは高いが、そのくらいの出費は仕方がないと思う。

null
スーパーで売られているサトウキビ原料のエコバッグ(写真:久山葉子)

ついに「生鮮食品のビニール袋」、H&Mも有料化


ただし、スーパーの果物・野菜コーナーに備え付けられている薄手のビニール袋は、その後も相変わらず無料だった。こちらでは野菜も果物も包装されずに裸のままゴロゴリと並んでいることが多い。例えばりんごを3個買う場合、選んだリンゴを薄手のビニール袋に入れていた。

ところが今年の5月1日から、そのビニール袋に税金が課されるようになった。というのも、あえてビニール袋自体に税金をかけるようになったのだ。税金の額は、レジ袋に3クローネ(約40円)、薄手の小さなビニール袋に30エーレ(約4円)。つまり消費者の購入金額は、税込みだとそれより高くなる。たった4円とはいえ、お金を出してまでその袋が必要かと自問すると、必要ないという結論に至った。


スウェーデンではこんな「ビニール袋」も有料に(写真:久山葉子)

それからは、果物や野菜も、むき出しのまま自分の大型エコバッグにぽいぽい放り込むようになった。ただし、わたしのように無頓着な客ばかりではないようで、店舗によっては紙袋を設置し始めたところもある。
次ページ > まずは「必要ない物は受け取らない」という姿勢

文=久山葉子

ForbesBrandVoice

人気記事