経済・社会

2020.06.10 07:00

肉食を減らせ、さもなくば「次のコロナ」はさらに無敵に

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化石燃料依存の加盟国から「放棄要求」も


現在コロナの影響で、飛行機が飛ばなくなり、車もあまり動かず、工場も閉鎖されていたことで、短期的には環境が良くなったというニュースもよく見かけます。しかし気候変動の研究者たちは、長期的に見ると破滅的な結果を招くと危惧しています。二酸化炭素の排出量は国際エネルギー機関(IEA)が8%削減できたと発表、しかしパリ協定を守るためにはもっと劇的に削減する必要があります。
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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、2030年までに半減しなければなりません。そのためには、毎年7〜8%の削減が必要。それも、今回のように経済的・社会的に破綻しない方法で、再生可能なエネルギーにシフトをしなければいけません。しかしEU加盟国の中でも化石燃料に依存しているポーランドやチェコは、排出権取引やEUが発表した気候変動への投資プロジェクト「欧州グリーンディール」の放棄を要求しています。


新欧州委員会委員長 ウルズラ・フォン・デア・ライエン(Getty Images)

欧州連合(EU)は、昨年、気候非常事態宣言(Climate Emegency)、そして「欧州グリーンディール」を発表しました。ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長率いる新欧州委員会が、2019年から2024年の5年間にわたって取り組む優先課題のひとつで、EUの温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、つまりEUを世界で初めての「気候変動に加担しない大陸(Climate-neutral Continent)」にするという目標達成に向けた環境政策です。
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フォン・デア・ライエン委員長は、「経済や生産・消費活動を地球と調和させ、人々のために機能させることで、温室効果ガス排出量の削減に努める一方、雇用創出とイノベーション促進」を目指していました。しかし今回のコロナ危機で、EU諸国も大きな経済的打撃を受けています。それゆえ、コロナ前のこのビジョンを放棄するのではと危惧されていました。

しかし、ヨーロッパ諸国がロックダウンを少しずつ解除し始めた5月13日と14日に、委員長がツイッターでこんな発信をしました。コロナ危機からの復興において、「気候変動対策を統合させた復興プラン」で世界のリーダーシップを取る、そんな気概が読み取れる内容です。

「コロナウイルスに対するワクチンは遅かれ早かれ見つけるでしょう。しかし、気候変動にワクチンはありません。それゆえに、欧州は将来をデザインした復興プランが必要なのです」

「EUの経済復興のツールと次の予算は、欧州のニーズに合わせた野心的なものになるでしょう。モダンで、クリーンで、健康な経済が、次世代の生活を保証します」

このように、EUはコロナ危機前に目指したビジョンを捨てず、復興に統合して取り組もうとしています。それは世界にとっても模範事例になるのではないでしょうか。

ではスウェーデンは、どう動くか?


スウェーデン政府も5月13日に、重要な決議をしています。
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文=高見幸子・久山葉子 構成=石井節子

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