ブロックチェーンは、複数のステークホルダー間で真正で一貫性のあるデータを効率的に共有することができる技術です。
ブロックチェーンが従来技術と異なるのは、書き込み・読み取り・修正・削除というデータベースの基本機能のうち修正・削除の機能を制限し、「正しい情報を積み重ね、相互に確認すること」に特化している点です。
事実、これまでブロックチェーンの活用が期待される領域として注目されてきたのも、金融やサプライチェーンマネジメントなどの、「正しい情報を積み重ね、相互に確認すること」の重要性が高い分野でした。
このブロックチェーンの特徴はデジタル空間で信頼関係を構築する際の課題への処方箋となります。
フィジカル空間で実現していた人間の活動を、デジタル空間に移行するためには、より真正で確からしい信頼の基盤を構築するブロックチェーン技術が不可欠だと考えています。直近でリンクトインが発表した「米国企業の求めるスキル」の第一位にブロックチェーンが選ばれたのも、こうした背景あってのことでしょう。
記事後編では、実際にブロックチェーン技術が感染症以後の世界においてもたらされる社会の変化にどう組み込まれていくかを、事例とともに挙げていきたいと思います(6月4日公開)。