Photo by David Lidstrom/Getty Images

スウェーデンは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)への対応として、都市封鎖(ロックダウン)を行った世界の大半の国・地域と大きく異なる選択をした。

スウェーデン政府は、手を洗い、物理的な距離を取り、不要不急の移動を避けることによって、いかに国民それぞれが感染者増加の抑制に貢献できるかを示したガイドラインを発表。労働者にはできるだけ在宅勤務とすること、高齢者には外出を控えて他人との濃厚接触を避けることを求めた。また、50人以上の集会を禁止した。

ただ、16歳未満の子供たちは通常どおり学校に通っている。さらに、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)の確保に関するルールを定めた上で、バーやレストラン、ジムの営業も認めている。

つまり、スウェーデンは国民生活を可能な限り、“通常通り”に保っている。ワクチンが承認され、広く利用可能になるまで、「感染の広がりを抑制する方法はない」というのが、全体としての考え方だ。

主にこの戦略を推進してきた公衆衛生庁の疫学責任者、アンデシュ・テグネルは、自国のアプローチの方が「長期的な継続が容易であり、より効果的だ」と主張する。「人々を自宅に閉じ込める方法は、長期的には機能しない」という。確かに、ロックダウンによって感染拡大の阻止に成功した各国は、経済活動の再開にあたって大きな課題に直面するだろう。

独自路線の“効果”は?


スウェーデンでは当初、一定程度の国民が新型コロナウイルスに暴露し、それが集団免疫の獲得につながると考えられていた。一般的には、人口の少なくとも60%が感染すれば、集団免疫が獲得できるとされている。

だが、5月21日に同国で発表されたところによれば、首都ストックホルムの住民のうち、4月下旬までに新型コロナウイルスに暴露した人の割合は、わずか7.3%と推計されるという。この割合は、厳格なロックダウンが行われた中国の武漢やマドリード、ニューヨークなどより低いとみられる。

編集=木内涼子

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