ここ1カ月で、数十校が教職員の一時帰休を表明。多くの場合、さらに減給や投資計画の棚上げ、職員の一時解雇などのコスト削減策も同時に実施した。しかし、こうした対策は教職員の雇用契約打ち切りなどのより厳しい恒久的措置の前触れに過ぎないと見る向きも多かった。
そして先週、予想されていたことが起きた。複数の大学が、教職員の解雇を相次いで発表したのだ。
オハイオ州のボーリング・グリーン州立大学は15日、資格を必要としない職員72人と管理部門の職員30人、教員17人を解雇または雇い止めとすると発表した。同大は今会計年度に2900万ドル(約31億円)の赤字を出す見通しで、このほかにも減給や一時帰休、運営規模の削減、野球チームの廃止も決めた。
オハイオ大学は既に、労働組合に加盟している職員140人の解雇を発表していたが、先週にはさらに教員53人の契約終了と事務職員94人の解雇も発表した。対象となる教員は、受け持っている次年度の授業を終えてから契約を終了することとなる。事務職員は149人が一度解雇されるが、うち55人は組織再編の一環として「新たなポジション」に再雇用される予定だ。
ミズーリ大学は15日、傘下の病院で職員29人を削減することを明らかにした。同大はこれに先立つ1日、新型ウイルス流行による財政難から32人を解雇。これまでに579人の一時帰休を発表していたが、追加で320人の一時帰休も計画している。これには、雇い止めを告知されている短期雇用契約者は含まれない。
フロリダ州のロリンズ・カレッジは先週、次年度は1600万ドル(約17億円)の資金不足となると予想し、大規模な予算削減が必要との結論に至った。結果、段階的な給与の引き下げや、各種プログラムの廃止、教職員の役職撤廃、「多くの空きポジション」の補充中止を実施する予定だ。またウェスタン・ミシガン大学は11日、全学部を対象とした大規模な職員解雇を発表した。
今のところ解雇を表明していない他の大学でも、同様の対策を準備している。全米各地の大学学長たちが、メールやミーティング職員らに対し、厳しい運営状況と、さらなる対策の必要性を伝えている。わずか3カ月前には誰も想像できなかった状況だ。