「今回の市場危機は、2008年のリーマンショック後の世界経済危機よりもさらに深刻な影響を及ぼし、景気回復はさらに難しくなる」と回答した企業幹部の割合は、前回の4月の調査では40%強だったが、今回は半数以上に達した。
これに対して、「今回のコロナ危機の方が影響は強烈だが短期的であり、早期に回復できる」と考える回答者の割合は、前月の51%から、40%まで落ち込んだ。
調査に応じたビジネス界のリーダーのうち3分の1は、第3四半期には自社の事業は落ち着きを取り戻すと見ている。しかし、「2021年以降にならないと回復しない」という回答も26%にのぼった。
5月の調査では、回答した企業幹部の19%が、「コロナ危機によって自社の借入ポジションにも今後、影響が出る」と回答した。この選択肢は、4月(10%)と比べて、イエスと回答した幹部の割合が最も増えた項目だ。その背景には、危機をしのぐために借り入れに頼る企業が増えている状況がある。
企業トップが最も重要と考える懸念事項にも、変化が見られる。事業継続性を懸念する傾向が高まっているのだ。自社の手元資金が尽きる事態を懸念する回答者の割合は、前月の15%から21%にまで増加した。
経済封鎖が事前の予想より長引いている状況のもとで、「事業継続」カテゴリーに属する懸念を挙げる企業幹部は、前月の11%から18%に増えたと、ウエスト・モンローではまとめている。
注目すべきポイントとして、「事業を再開し、職場での通常勤務に戻る上での最大の課題」について聞いたところ、「労働時間や働く場所の柔軟な設定を含む、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)のもとでの事業運営」を挙げた企業幹部は、回答者の29%に達した。続けて、26%が「政府による規制措置の解除スケジュールが見えない点」、23%が「消費者と企業双方の景況感の悪化」を課題として挙げている。