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「5月に売れ」。この昔ながらの株式投資の格言は、意外なほどしっかりとした歴史的データに裏付けられている。5月下旬に市場から撤退し、ハロウィーン前に戻ってくるのがよいという発想だ。そのため、時にハロウィーン指標とも呼ばれる。この戦略を採用すれば、リスク調整後のリターンを改善できると、「5月売り」の支持者たちは言う。この方法は、2020年においても有効なのだろうか?

データが示すリターンの差分は4-5%


株式市場の過去のデータを見るかぎり、長期的傾向は明確だ。ベン・ジェイコブセン(Ben Jacobsen)とスヴェン・ボウマン(Sven Bouman)による1998年の研究で、多くの国々における長期的データを包括的に解析した結果、11月から4月の期間における株式市場のリターンは、1年のほかの月よりも有意に大きいことが明らかになった。さらにジェイコブセンとチェリー・イ・チャン(Cherry Yi Zhang)が2018年、先述の研究に、1998年から2017年までのデータを加えて解析し直したところ、仮説は再び支持された。

端的に言って、株式市場のリスク調整後リターンがより優れているのは、冬から春にかけてだ。具体的には、過去の長期的データを見るかぎり、11~4月の株式のリターンは、5~10月と比べて4~5%高くなる。この現象は毎年起こるわけではないが、3年のうち2年は、正の効果が確認できる。国によって効果量は異なるが、長期的にみると傾向は一貫している。

戦略を採用するリスク


5月売りの戦略を実践するにあたっては、いくつか考慮すべき問題がある。第一に、歴史があなたに味方しているとはいっても、これは例外なき法則ではない。毎年うまくいくわけではないし、これまでの歴史のなかで支持されていたとしても、今後もそうなるとは限らない。それに、現在の不安定な市場において、4%のリターンの差は、ほんの数日分の変動と変わらない。

次に考慮すべきは税金だ。課税口座で株式売買をおこなうと、税金が高くなる可能性があり、それが損益に響くかもしれない。とくに米国では、投資利益を1年以上保有していれば、多くの投資家は控除税率の適用対象となるため注意が必要だ。税金は必ずしもこの戦略の妨げになるわけではないが、考慮すべき点ではある。

第三に、明確にしておくべきことがある。この傾向は一般に、夏場の株式リターンがマイナスになるためではなく、冬場に比べて小さくなるために生じる(冬場の6%前後が、夏場には2%前後へと小さくなる)。つまり、リターンはまだプラスであるため、5月に売る必要性はそこまで大きなものではない。むしろ、最大のリターンが見込める11月に備えて、株式保有の態勢を整える意味合いが大きい。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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