ここでは、綿密な調査と分析に基づく投資を通じて、成功を手にした彼の5つの名言を紹介する。
5歳でビジネスを始めてから、大富豪になるまで
ジム・ロジャーズは、1942年、アメリカのアラバマ州生まれ。5人兄弟の長男として、弟たちの面倒をみる傍ら、5歳にしてピーナツ売りのアルバイトを始めたという。
投資に興味を抱いたきっかけは、イェール大学在学中に経験した、ウォール街でのアルバイトだった。その後、オックスフォード大学へ留学した後、73年にジョージ・ソロスとともに「クォンタム・ファンド」を設立。
アナリストとして活躍し、設立から10年ほどで約4000%ものリターンを獲得。一気に投資家としてのキャリアと富を築いた。80年にはファンドを離れ、バイクとベンツで世界を走破。「冒険投資家」としての一面も持つ。
ジム・ロジャーズの名言
1.自分で調べた会社の株を買いなさい。さもなければ、家で映画を見ているほうがいい。幸運は、常に努力を怠らない人のもとへ訪れる。
徹底した下調べと分析のもとに投資を行い、大きなリターンを得てきたロジャーズ。自分で調べ、判断する努力を重ねてきた彼ならではの言葉だ。
2.変化に適応できない人は、変化に吹き飛ばされるだろう。変化を認識し反応する人は、利益を得るだろう。
ロジャーズは、刻々と変化するマーケットの「今」を的確に捉え、自身が調べ上げたデータをもとにグローバルな視点で未来を予想し、大きな成功を手にしてきた。変化を拒むこと、変化に適応できないということは、進化を止めることに他ならない。
3.本当に忙しい人よりも、実は暇な人の方がいつも時間がないと言っている。
ロジャーズは、幼少期に祖母から「仕事をやり遂げるためには、忙しい人に任せなさい」と教わったという。時間は作るものであり、時間が足りないことを嘆いても何も始まらない。つい「忙しい」を何かの言い訳にしてはいないだろうか。
4.成功するのは、ねばり強くやり続けられる人だけです。だから諦めてはいけません。
「世の中には、とても頭がいいのに成功していない人たちがたくさんいます。容姿端麗でも、才能に恵まれていても、学歴が高くても、まったく芽が出ない人がいる。成功するのは、粘り強くやり続けられる人だけです」と語ったロジャーズ。諦めずに努力を続けるねばり強さは、生まれ持った才能に勝るとも劣らない武器になる。
5.冒険しないと、つまらない人生になってしまう。
ロジャーズは「冒険投資家」としても知られる。37歳でクォンタム・ファンドを引退後、バイクで世界各地を巡る旅に出た。
90年から92年にかけて、オートバイで世界6大陸を走破。99年にはメルセデス・ベンツで116カ国を走破し、いずれもギネスブックに記録されている。
また、彼は世界を旅するだけでなく、コロンビア大学ビジネススクールの客員教授に就任したり、多くのテレビ番組に出演したりと、引退後も様々な分野で活躍を見せた。
2007年以降はシンガポールに移住。「莫大な負債を抱える日本にとって、東京2020オリンピック・パラリンピック開催は衰退の原因になる」という発言など、日本や中国を中心とする、アジアや世界全体の経済についての主張が関心を集めている。