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2020.05.20 06:00

「株は5月に売れ」昔ながらの格言は2020年にも通用するか


最後に、研究者はそれぞれに理論を唱えてはいるものの、このカレンダー効果がなぜ起こるのかはよくわかっていない。最良の理論には、統計的な裏付けと、明確な説明が必要だ。過去にこの現象が起きた理由については、日照から休暇まで諸説あるが、はっきりした裏付けはなく、意見は割れている。明確な裏付けがなければ、いくら過去のデータに一貫性があっても、この奇妙な現象を確実なものとみなすのは難しい。

2020年にも有効か?


控えめに言っても、2020年は多くの点でユニークな年になるだろう。新型コロナウイルスからの回復がどのような形をとるか、治療法やワクチンの開発がどの程度のペースで進むか、そして11月の米大統領選の結果がどうなるか。今後数か月の市場の動向には、これらの要因が大きく影響を与えるだろう。加えて、季節的要因やその他のさまざまな懸案事項も存在する。

けれども、現在の株価が比較的高いこと、そして新型コロナウイルスの影響による下落リスクがあることから、5月に株式を売却するか、少なくともエクスポージャーを減らすべきという主張にはかなりの説得力がある。これ以外のいわゆる株式市場の法則の数々が、データに照らしてみるとしばしば曖昧な結果や小さな効果しか示さないのと比べれば、「5月売り」の妥当性は際立っている。

この法則が示すのは、11月までの株式市場リターンが低めになることであって、必ずしもマイナスになるわけではない点には注意が必要だ。それでも、理論から予測される「2%」よりも大きなリターンが期待できる有力な投資先が株式以外にあるならば、そうしたリスクを取ることを検討する、ひとつの根拠になるだろう。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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