今年で18回目となる同ランキングに入った2000社の大半は、昨年から時価総額を大幅に低下させており、各社の第1四半期決算はコロナ危機の深刻な影響を示している。航空会社の状況は特に厳しく、航空便の需要は2001年の米同時多発テロ後以下の水準まで悪化。アメリカン航空は第1四半期で22億ドルもの損失を出し、順位を372位から967位へと落とした。
ただ、すべての企業がコロナ危機により打撃を受けたわけではない。アマゾン・ドット・コムやアリババ、ウォルマートなどの電子商取引大手はインターネット販売の増加により成長し、3社はいずれも今年のランキングで順位を上げた。
金融業界からは、中国工商銀行(ICBC)が8年連続となる首位に立った。同行の保有資産は4兆3000億ドル超。中国国有の四大銀行はいずれもトップ10に入っている。米企業の最高位はJPモルガン・チェースで、昨年から順位を1位低下させ3位に入った。
ランキングに入った中国企業の数は8年連続で増加して324社となり、1位の米国(588社)との差を縮めるとともに、3位の日本(217社)をさらに引き離した。日本企業の最高位は11位のトヨタ自動車。
明るいニュースとしては、2019年最大の新規上場を実施したサウジアラムコが、5位で初のランキング入りを果たした。同じく昨年に新規上場したZoom(ズーム)とSlack(スラック)も、コロナ流行による在宅勤務への移行の恩恵を受け、いわば一夜にしてグローバル2000企業の仲間入りをした。
以下は、今年の「グローバル2000」ランキングのトップ10社。2000社の全リストはフォーブス英語版サイト(https://www.forbes.com/global2000)で公開されている。
1位 中国工商銀行
2位 中国建設銀行
3位 JPモルガン・チェース
4位 バークシャー・ハサウェイ
5位タイ 中国農業銀行
5位タイ サウジアラムコ
7位 中国平安保険
8位 バンク・オブ・アメリカ
9位 アップル
10位 中国銀行
ランキングの作成にあたっては、ファクトセット・リサーチ・システムズのデータを使用し、売上高、利益、資産、時価総額の4つを基準に公開企業を順位付けした。時価総額は2020年4月30日の株価終値で、発行済み普通株式の全てを含めている。