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I cover enterprise adoption of blockchain and cryptocurrency.

a-image / shutterstock.com

たとえブロックチェーン(分散型台帳)技術の“信奉者”ではなくても、もはや大手企業のいずれも、この技術を無視することはできない。フォーブスが先ごろ発表した「世界の有力企業2000社ランキング(グローバル2000)」のトップ10に入る各社も、この技術に関する研究と無縁ではいられなくなっている。

最新の「グローバル2000」で2年連続の1位となった中国工商銀行(ICBC)は、関連技術の特許を中国の国家知識産権局に出願している。仮想通貨の情報サイト、コインデスクによれば、同行はこの技術を利用することにより、当局に代わってデジタル証明書の認証を行うことを目指しているという。

中国建設銀行(CCB、2位)は昨年9月、銀行と保険会社が共同で行う商品の販売を効率化するため、米IBMのブロックチェーン・プラットフォームの導入を進めていることを明らかにした。

多様な金融サービスを提供する米JPモルガン・チェース(3位)のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、ビットコインを厳しく批判してきた。だが、一方で同社は、ビットコインを支えるこの技術を熱心に研究している1社だ。

米投資会社バークシャー・ハサウェイ(4位)もまた、CEOのウォーレン・バフェットがビットコインに懐疑的だ。バフェットは積極的に自らの見解を明らかにしており、ビットコインを殺鼠剤に例えたり、合理的な投資の一形態として購入を検討する人たちを戒めたりしている。ただ、そうしたバフェットの態度も、バークシャーによるこの技術の研究を妨げることにはつながっていない。

コインデスクはまた、中国農業銀行(5位)が電子商取引を行う企業に無担保で貸し付けを行うための分散型ネットワークの開発に取り組んでいると伝えている。そのほか、バンク・オブ・アメリカ(6位)、ウェルズ・ファーゴ(7位)、中国銀行(9位)もそれぞれ、業務の効率化や多角化に向けた独自のブロックチェーン関連プロジェクトを推進している。

多様な業種の企業が研究

テクノロジー企業で唯一今年のトップ10に入った米アップル(8位)は、ブロックチェーン関連のプロジェクトの計画についてほとんど何も明らかにしていない。だが、コインデスクによれば、同社はこの技術を用いたタイムスタンプ(時刻認証)システムに関する特許を申請している。

ランキング10位の中国平安保険もこれまで、この技術の導入に関してほとんど何も公表していない。だが、同社は2016年に分散型台帳技術を使ったシステムの開発を目指すR3コンソーシアムに参加している。中国の工業情報化省が進める関連技術についての研究を支援しているとみられている。

グローバル2000に入った各社はその大半が、この技術の研究を進めているもようだ。米国ではマイクロソフト(20位)やアルファベット(23位)、ウォルマート(24位)などがそうした企業に含まれる。ドイツの自動車大手ダイムラー(29位)、三菱自動車工業株式会社(37位)、ロシアのズベルバンク銀行(ロシア連邦貯蓄銀行、47位)などの名前も挙げられている。

こうしたなかで特に目を引くのは、この技術を研究している企業の業種の多様性だ。国境を越え、より迅速かつ安価に送金を行うためのフィンテックを用いたツールとしてビットコインの誕生とともに使われ始めたブロックチェーンは、中央権力への依存度を低減しつつ、あらゆる種類の価値を移動させるための技術へと進化している。

編集=木内涼子

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