ビジネス

2020.05.08

苦境の飲食店を救う一手となるか? インスタグラムが「料理を注文」機能を開発した狙い

Gettyimages

歓送迎会が行われる3月、4月──飲食店にとっては書き入れ時だ。しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大、それに伴う緊急事態宣言の発令によって、多くの飲食店が休業を余儀なくされている。昨対比で売上が9割減のお店がある、とも耳にした。

そして緊急事態宣言はさらに1カ月延長。飲食店業界を取り巻く状況は、さらに厳しくなっていくことが予想される。先行きが見えない状況が続く中、テイクアウトやデリバリーを通した営業を選択し、活路を見出そうとする飲食店も増えてきている。

そんな飲食店の決断をサポートすべく、インスタグラムが4月27日、新機能を追加した。それがインスタグラム上で料理を注文できる機能だ。

同機能は、飲食店は「料理を注文」スタンプをインスタグラムストーリーズの投稿で使ったり、プロフィールにアクションボタンを追加したりできる。また利用者は、スタンプやアクションボタンをタップすれば飲食店が設定したプラットフォームのページが表示され、料理の注文を完了できるというもの。

インスタグラムのビジネスアカウントを保持しており、ウーバーイーツの加盟店であれば、スタンプの利用やアクションボタンの設定は無料となっている。

83%の利用者がインスタで新しい商品やサービスを発見


この機能は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小ビジネスを支援する取り組みの一環として、インスタグラムが導入したもの。米国とカナダでは4月15日に先行して導入されていたが、すぐに日本でも導入に至った。

「日本においても外出自粛が広がる中で営業の継続が難しくなったり、売上が減少したりしている飲食店が増えています。そうした背景から、米国とカナダでローンチしたあと、すぐに国内での導入に至りました」と、フェイスブック ジャパン代表取締役の味澤氏は導入の経緯を語る。

2018年には、インスタグラムは利用者のアクションを促すことができるツール「アクションボタン」を導入し、レストラン予約機能の提供も行っている。味澤氏によれば、ここ数年で飲食店のインスタグラム活用は進んでいるという。
次ページ > ビジネスと消費者の双方を巻き込める

文=初見真菜 編集=新國翔大

ForbesBrandVoice

人気記事