テクノロジー

2020.05.08 14:30

パンデミックの意外な影響、飲食業界を脅かす「二酸化炭素不足」


連合の指摘によれば、米国のCO2生産量はすでに20%減少している。何も手を打たなければこのまま減少が続き、50%まで落ち込む可能性があるという。その影響を受けるのは、飲料業界だけではない。一部の生鮮食品や保存食品の会社も、CO2の安定した供給に支えられている。

CO2の不足は広範囲に影響を及ぼすと見られる。たとえば、アイオワ州エイムズ市の水処理場では、二酸化炭素を使ってミネラルの多い硬水を軟化し、飲料水の品質を高めている。

「エイムズ・トリビューン(Ames Tribune)」紙は以下のように伝えている。「エイムズ市の水管理責任者ジョン・ダン(John Dunn)によれば、エイムズとデモインの水道施設にCO2を供給しているエア・プロダクツ(Air Products)社は、3月下旬にエイムズ市に対して、CO2供給が危機的状態にあると伝えたという。エタノール工場の閉鎖により、CO2を入手できるとしても、通常量の半分ほどになるだろうとダンは予想している。エア・プロダクツは、エタノールの生産が止まる直前にタンクを満杯にしていた」

不足状態に陥るのを防ぐために、ネバダ州のリンカーンウェイ・エナジー(Lincolnway Energy)のエタノール工場が操業を再開し、エイムズ市に二酸化炭素を供給している。上述の連合は、全米で同様の措置を求めており、CO2の生産を続けられるように、製造会社に対する奨励策をとるよう連邦政府に要請した。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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