イスラエルのスタートアップ企業「Otonomo」は、コネクテッドカーが取得したデータを活用することを目的に、自動車メーカーやアプリ開発者をつなぐクラウドプラットフォーム「Otonomo Automotive Data Services Platform」を運営している。
Otonomoは4月14日、BMWとのパートナーシップの拡大をアナウンスした。同社は44カ国のBMWやMiniの車両データをクラウドに取り込み、スマートシティ化やリアルタイムの交通情報の提供に向けたプロジェクトを始動させる。
Otonomoによると、BMWが車両から得たデータを外部の企業とシェアするのは今回が初めてという。同社は今後、他の自動車メーカーにもクラウドプラットフォームを開放し、中立的な立場からコネクテッドカーのエコシステムを構築していく。
BMWとOtonomoは2019年10月に提携を結び、データ活用に向けた動きを始動させていた。BMWの車両から収集されるデータには、道路標識や交通状況、道路上の障害物の情報などが含まれる。
2社は今回のプロジェクトで、下記の6つのカテゴリにおけるデータ活用を目指している。
1. 駐車場情報
BMWの車両から収集されたデータにより、駐車場の空き情報を提供する。これにより都市部での渋滞の緩和や、ドライバーのストレス低減を目指す。
2. スマートシティ化に向けた都市計画
BMWの車両の先進運転支援システム(ADAS)で収集した交通状況や、道路標識などのデータを活用し、都市部やハイウェー上のトラフィックを把握し都市計画の立案を助ける。
3. リアルタイムの交通情報
BMWの車両データから渋滞状況をリアルタイムで把握し、最適なルートを通知するナビゲーションサービスの構築に役立てる。
4. 地域の危険情報
特定エリアにおける豪雨や霧の発生などを検知し、アラートで通知する。
5. 地図サービス
超音波センサーから収集したデータを用い、リアルタイムで更新されるマッピングデータを提供する。一時的な速度制限や道路標識の変更、工事情報なども即時に提供する。
6. 行政向けの道路補修情報
BMWの車両が収集したデータで、破損した標識や路面の陥没など、道路メンテナンスに必要な情報を提供する。