マツダか、キアか。今年の「世界最優秀車賞」の行方は?

マツダ3

今年の「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(世界最優秀車賞)」は、日本対韓国の勝負だった。同賞のトップファイナリストとして残ったの3種は、マツダ3とマツダCX-30、そしてキア・テルライドSUV。そう、マツダ2台とキア1台だった。

4月8日に、ニューヨーク国際モーターショーの開会式の一環として行われる予定だったアワード発表は、新型コロナウイルスの影響で中止となり、オンラインでの発表となった。

この賞は投票というより採点で決まる。その集計は第三者の有名会計事務所が行い、結果が発表直前に届けられる。開封直前までマツダ3は第一候補だったが、26カ国からの86名の選考委員がそれぞれの候補車を評価した結果、キア・テルライドがトップに躍り出た。米国で生産される同車は、北米、韓国、中東などの市場で販売されているグローバル戦略車。残念ながら、日本には上陸していない。


キア・テルライド

「残念」と書いた理由は、テルライドが本当に良くできた大型SUVだから。クルマ好きの日本の読者にもぜひ乗ってほしいぐらいだ。昨年の11月、ワールドカーが開催する「ロサンゼルス合同試乗会」で僕を含めて50名ほどの選考委員が試乗する機会があり、日本人の7人の選考委員も同時にテストした。

半日の試乗を終えた直後に印象を聞くと、「ヤベー。良くできている。走りが良い。格好いい」と絶賛。ここでテルライドの試乗記を書くつもりはないが、簡単に言えば、同車のデザイン性、走り、乗り心地、質感、安全性、高級感、そして何よりもコストパフォーマンスの総合的な点数はどの他の候補車より優れていた。

今は主な市場であるアメリカのニーズに応えて、テルライドの3.8LのV6ガソリン仕様しかないけれど、近い将来ハイブリッド仕様が追加されるという。やはり、欧州に導入するにはそれが必要となるだろう。米国の同僚の話によると、同車の生産が需要に追いついておらず、場所によっては、少しプレミアムがついているほどだという。
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文=ピーター・ライオン

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