ビジネス

2020.04.07

意外とツラいリモートワーク。6つの課題と成功の秘訣

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2. 会社・組織の「ヒト」の課題


Riney:次に、チームワークの課題について。弊社でも、「リモートワークでもチームワークを守るには?」というテーマは喫緊の課題で、まさに模索中です。例えば今朝は、仕事始めにセルフィーを撮って「今から仕事始めます!」と宣言することを試みました。皆さんはどうされていますか?

千葉:うちも4月から2名の新規メンバーが入ったところで、チームビルディングは重要な課題。Slackのワークフロー機能を使って、全員にモーニングコールをしています。「朝会」として5分間だけミーティングルームを用意して、僕はずっと待機。他のメンバーは出入り自由な時間に。結構うまくいっていますよ。

:うちはもともと出退勤の時間が人によってバラバラなんです。そこでチーム感覚を維持するために導入しているのが、「基本的にカメラはずっとオンで、離席中はオフにする」というルール。マイクはオフにしていて、話したい時だけオンにします。

このルールでリモートワークをしていると、オフィスにいるよりもかえって皆の顔を見ている感覚がありますよ。メンバーが髪型変わったのもすぐ気づきました(笑)。あとはチーム単位で、朝夕の顔合わせミーティングもやっています。ちょっとしたことですが、あるかないかで全然違うと思います。

溝口:短時間でも顔を合わせることが大事ですよね。弊社では、ランチタイムにZoomをつないで、それぞれがテイクアウトしたランチを同時に食べたりしています。今日は17時から「バーチャルギャザーアワー」として、これまでオフィスでやっていた社内交流の定期イベントを初めてオンラインでやってみます。

Riney:Zoomランチ、流行りつつありますね。でも、日によっては「あれ、他の人が入ってこないな〜」と寂しい思いをすることも(笑)。


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:たしかに、それは結構ありがちですよね。自由参加形式のオンラインイベントは、来る人・来ない人がいつのまにか固定化されてしまう。僕自身も1人が好きだから、「参加自由」と言われると参加しないほうかもしれないです(笑)。

西村:温度差はどうしても出てきますよね。そのうちオンライン上の強制参加を問題視する「Zoomハラスメント」とか言われそうですね(笑)。Zoomミーティングで誰でも参加しやすくするコツとしては、初回のアイスブレイクを丁寧にすることを心がけています。今朝、サンフランシスコとつなぐミーティングがあったのですが、アイスブレイクとして「お互いの似顔絵をを描く」という時間を設けました。絵心のなさを披露しあって打ち解けました。

溝口:テキストに偏重しがちなオンラインのコミュニケーションでは、感情を補足する意識はより重要になります。Slackでは、絵文字に似た「リアク字」の積極的活用を勧めています。

西村:リアクション、大事ですね。前職のグーグルでも、「必ず反応しよう」という文化が徹底していました。

3. 会社・組織の「プロセス」の課題


Riney:対面が必要になる業務についてはどうしていますか?

:我々は不動産の売買に携わる事業なので、どうしても契約時など対面業務は生じます。法律上も対面を義務付けられているのでここはオンラインに変えようがなく、考えても仕方がないので、迷わずオフラインでやっています。大事なのは、働き方をフレキシブルに選択できることだと思います。「基本はオンラインだけれど、契約が必要な2時間だけ出社する」というように。

千葉:これまではリモートワークを謳っていたとしても、顧客とのミーティングで参加を求められたり、「御社に伺ってもいいですか」と要望をいただいたりすると、オフラインで対応してきました。それもコロナの影響でほぼオンラインへと切り替わってきています。

Riney:当社も投資先の会社の状況をつかむために、対面のコミュニケーションを重視してきたカルチャーです。それでもこのご時世ではオンラインでも繊細な情報収集ができるように、意識を変えていかないといけないと思っています。まだ答えは出ていませんが。
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文=宮本恵理子

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