アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

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タスク管理アプリ「Notion」の開発元のNotion Labsが、テック系ユニコーン企業の仲間入りを果たした。サンフランシスコ本拠のNotion Labsは、インデックス・ベンチャーズから新規で5000万ドル(約54億円)を調達し、企業価値は20億ドルとされた。

関係筋によると、同社の前回の調達額は2000万ドルに満たない金額だったという。Notion Labsの直近の年間売上は約3000万ドルだった。

インデックス・ベンチャーズのサラ・キャノンは以前のインタビューで、「市場の先行きが不透明な時期に投資対象となり得る企業は、そのカテゴリで最高レベルのもの、もしくは時代を決定づけるような要素を持つものに限られる。Notionはその2つを備えている」と述べていた。

2012年に始動したNotionの社員数は約40人程度だが、400万人以上のユーザーを抱えている。同社のアプリはスケジュールやタスク管理に用いられ、快適な操作性が評判でEvernoteやTrelloから乗り換える利用者も多い。Notionは月額制のサブスクリプションを主な収入源としている。

今回の出資元のインデックス・ベンチャーズはスラック(Slack)の初期出資元であり、Notionへの出資を担当したキャノンは、スラックが上場する直前にオブザーバーを務めていた。彼女は昨年、業務管理アプリQuillへの1250万ドルの出資も手掛けていた。

しかし、Notionの幹部らを説得するのは、楽な仕事ではなかったという。キャノンが最初にNotionのオフィスを訪ね、CEOのIvan ZhaoやCOOのAkshay Kothariらに資金を受け入れるよう迫ったのは、今から18カ月前のことだが、当時の彼らは彼女の申し出を固く拒んだという。

「もしも、気が変わったら電話をするからって、彼らは私に話した」とキャノンは話す。そして、今から3週間前にようやく、彼らが電話をかけてきたのだという。キャノンのチームは、全速力で話をまとめ、資金を注入した。

Notionに出資を申し出た投資家はほかにも多い。昨年夏にNotionは1000万ドルの資金を10社以上から調達し、企業価値は8億ドルを突破した。その際に出資したのは、First RoundやSherpalo Ventures、Draft Venturesなどだった。

NotionのKothariは今回の資金調達によって、今後10年分の資金が確保できたと話した。さらに、現在のような不透明な状況下で外部から資金調達を果たしたことは、Notionの顧客に対する信頼性を高めることにつながると話した。

感染拡大は業務ツールに追い風


業務管理ツール分野は競争が激化しているが、Notionは将来的にマイクロソフトのOfficeを脅かすポジションを狙っているという。しかし、彼らの直近の強敵となるのはスラックを模倣した、マイクロソフトのTeamになりそうだ。

新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務が拡大するなかで、業務管理ツールの重要性は増している。マイクロソフトは先日、Teamsの利用者が急増し、DAUが4400万人に到達する見込みであると発表した。スラックも先週、DAUが1250万人に達したとアナウンスした。

感染拡大の影響で、スタートアップ企業の評価額は全体的には大きく減少している。しかし、在宅勤務に役立つツールは投資家から大きな期待を集めている。

KothariはNotionの未来について、自信を深めている。「マイクロソフトは1990年代にこのカテゴリでの覇権を確立したかに見えた。しかし、グーグルが次の10年で状況を大きく変えた。その次の未来を創るのはNotionになる」と彼は話した。

編集=上田裕資

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