「プラヤビスタ」はシリコンビーチの一角にある(写真提供:世野いっせい氏)
「エンターテイメントとITの融合」がしやすいのがシリコンビーチの一番の特長である。サンタモニカには音楽系のスタジオ、ハリウッドには映像のスタジオが多数ある。つまり、人材と設備が豊富にある。それを活かせるのがシリコンビーチと言えるだろう。ユーチューブなどが普及してきた今、これからは個人が放送局になれる時代。そこで必要となるのが、「人材」である。
シリコンバレーにはエンジニアは大勢いるけれど、エンターテイメント系のクリエイターはロスに比べると格段に少ない。シリコンビーチにはソフト面でのプロが多数存在するのである。「これこそがシリコンビーチが発展し続けている理由のひとつではないでしょうか」と世野氏は言う。シリコンビーチは個人がメディアになるための最強のツールが揃ったエリアなのである。
「これまでは容量などの問題から、動画の作品づくりにさまざまな制限がかかってきたが、5Gによってその障壁はかなりなくなった。ものすごく重いデータも無制限で送れるから、好きな動画を撮れるし、配信もできるようになった。それを最大限に活かすためにできたのがシリコンビーチだと聞いています」(世野氏)
アメリカ企業は数年前から「すべてが5G想定」だった
「今、ユーチューブでは1分ほどの動画でも広告はつきます。けれど、10分以上になるとたくさんの広告をつけられるようになり、その分広告収入も増える。ただ、専門家によれば、これからのユーチューブは「再生回数」ではなく「視聴時間」が重要視されるようになると言われています。そのため、今後1分程度の短い動画には広告がつかなくなる可能性もありそうです」と世野氏は言う。
ということは、今後はユーチューブにも長編が増えてくるということだ。今は発信側がどんなに長い動画をつくっても、受信者(視聴者)側にそれを受け入れられるだけのスペックがないことも多いけれど、5Gになればその問題もらくらくクリアするだろう。