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2020.03.12 12:30

懐かしのあの商品が「オトナ化」している理由


“モノ”から“コト消費”へ「おとなのジャンプ酒場」



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「週刊少年ジャンプ創刊50周年」を記念して、「おとなのジャンプ酒場」が期間限定で新宿歌舞伎町にオープンしている。発行部数500万部へと成長したジャンプ黄金期、80年代の作品「ドラゴンボール」や「キン肉マン」などをフィーチャーした空間で作品をイメージしたメニューを楽しめる。実際の80年代のジャンプが読めたり、漫画家のお宝グッズが並ぶなど、当時のジャンプ世代は垂涎必至だ。

少年時代に週刊少年ジャンプを読んでいた世代も、大人になり漫画とは疎遠になってしまった人も多いのではないだろうか。お酒を片手に、少年だった「あの頃」を懐かしむことのできる場を提供し、思い出と共に漫画の存在を意識してもらうきっかけとなる。

大人には大人に効くアプローチを。ただ商品を進化させるだけでなく、ターゲットの“成長”に合わせて提供する「モノ」に変化を加え、「コト消費」へと昇華させた例だ。昨年7月にオープンし、今年夏までの目処で営業しているが、好評であれば期間の延長もあり得るという。

世代を超えてファンを“むすぶ” 「りぼんのりぼん」



3つの企業、6名のクリエイターとコラボレーションして開発されたアイテムを含む38種類が並ぶ。

憧れを抱きながら漫画を読んでいたのは少年たちだけでない。少女まんが雑誌「りぼん」が創刊65周年を記念して、「りぼんのりぼん」と題してプロジェクトを展開する。

プロジェクト第1弾として、3月6日から20日の期間限定でポップアップストア「りぼんのおみせ in Tokyo」が原宿の複合型ショップ「baseyard tokyo」にオープンする。企業やクリエイターとコラボして作られた、Tシャツやステッカー、さらには生理用品なども販売される。商品のラインナップからは、かつて「りぼん」の読者であった大人たちの心を掴むように開発やデザインされたことがうかがえる。

「いま、もう一度『りぼん』をむすぼう。」と、“むすぶ” ことをコンセプトとしているこのプロジェクト。誰かと誰かを “むすぶ” ことを目指している。ビジュアルには、40歳の私が「りぼん」を読み始めた我が子を見て、自らが「りぼん」を読んでいた頃の10歳のわたし、の感覚を思い出す、という内容のコピーが綴られている。世代を超えて愛されてきた雑誌を通して、親子の気持ちが結ばれた様子が描かれている。

長年の歴史をもつ商品であるということは、それだけ多くのファンをもつということでもある。さらに、新たなユーザーを “むすぶ” きっかけを作れば、世代を超えて愛されることになるだろう。

また、変わらぬ存在として、大人になってもいつでも立ち帰ることができるという存在感を感じることができる。

文=河村優

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