ビジネス

2020.02.27

ベルリン発、農地スタートアップがいよいよ日本進出。スーパーと農業を変える

創業者の1人、エレズ・ガロンスカ


━━海外展開も進み、インファームがここまで成功している理由はなんでしょうか?

インファームは、食品配送の課題に取り組むための持続可能なアプローチを提供しているからです。

近年、世界中の投資家が環境問題に対する持続可能な解決に取り組むイノベーションに注目しています。これらは多くの国や地域が現在みている課題であり、私たち全員にとってますます緊急性を帯びています。特にインパクト投資(社会的成果と財務的リターンの両立を目指す投資)に焦点を当てた投資家から関心が寄せられています。この分野もベンチャーコミュニティ全体で勢いを増しています。

━━このビジネスアイデアはどうやって思いつきましたか?

私を含めた創業者の3人は、消費者が農地に近いことが人々の健康と創造性に不可欠であるという考えで一致していました。そこで地元の農場の自然な活力を都市に持ち込む方法を探り始めました。インファームでは、物流全体を最初から最後まで見直したかったのです。

都市の外に大規模な農場を建設し、特定の収穫高を最適化してから農産物を配布する代わりに、都市全体に農場自体を配布することがより効果的であると判断しました。

2013年には、1955年製造のトレーラーを最初の垂直農場に改造しました。このトレーラーは、訪問者がハーブやマイクログリーンを収穫できる初期の実験のハブになり、まちづくり事業者や食品関係者などの活気あるコミュニティとなりました。これにより、都市農業を現実にするための課題を探ることができました。この研究ステーションは、インファームの始まりです。



━━この会社のゴールはなんですか?

欧州をはじめ、日本を含むその他のグローバル市場に事業を拡大するなかで、インファームのアプローチは現代の農業および生態系の緊急課題に取り組むための1つの方法にすぎないと感じています。これらの課題解決には、業界全体での革新とコラボレーションが必要です。

そのことを念頭に置きながら、今後数年間にわたって、流通センターから食品メーカーまで、学校から病院、さらにその先へ、システム全体を変える技術、プロセス、専門知識を提供できるFarm-as-a-service(サービスとしての農業)モデルを構築しています。自給自足な都市を実現するためです。

文=井土亜梨沙 写真=インファーム

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