悩まない、探さない、試さないを提供
COSICの創業は2018年7月。武藤は新卒でリクルートに入社し、プロダクトマネージャー、UXデザイナーとして複数の新規事業立ち上げに従事した人物。入社後、3年間で3回ほど新記事業の立ち上げに携った経験から、「次は自分で会社を立ち上げよう」と決意し、COSICを立ち上げ、2019年1月にサービスをリリースした。
数ある事業の中から、なぜインテリアのコーディネートだったのか──選択の決め手となったのは武藤の趣味が関係している。
「自分は趣味が物件探しで、SUUMOやHOMESを見ながら引っ越したいリストを更新していく生活を送っていて。実際に9年で8回引越しを経験しています。引越しの際に家具を引き継ぐと家のサイズの問題から住みにくくなりますし、また買い換えるのも時間がかかって大変なんです。この課題を感じている人は自分だけでなく、他にもたくさんいるのではないか。そんな問題意識からインテリアのコーディネートサービスを立ち上げました」
前述の通り、COSICは部屋の写真・間取り・好みのテイスト・ライフスタイルを入力するだけで、インテリアコーディネーターが理想の部屋をリアルな3Dで提案。そして、インテリアコーディネートで使用された家具は実際に購入も可能となっている。
このサービスの提供を通じて、武藤が解決したいインテリアコーディネートにおける課題は「悩む、探す、試す」という3つだという。
「そもそも、インテリアコーディネートはテイストや配色、配置などの要素が複雑に絡んでくるので考えることが難しい。そして家具を販売するサービスがいくつも点在しているので、欲しい家具を探し当てることにも時間がかかりますし、そして何より家具は店舗まで出向き、実物を見て試さないといけない、と多くの人が思っている。
こうした従来のインテリアコーディネートの課題を解決し、ネットで手軽に誰でもインテリアコーディネートを依頼できるようにすることで、コーディネートをする人が増やせる。そしてコーディネート提案から商品購入まで一気通貫で提供すれば価値を感じてくれる人はたくさんいるはずだ、と思ったんです」
実際にCOSICが提案する3Dのインテリアコーディネートの画像を見せてもらうと、そのリアルさに驚く。ただの写真にしか見えない、と言ってもいいほどだ。
COSICで使われている3Dイメージの作成ソフトは独自に開発したものだそうで、武藤も「インテリアコーディネーターの質と、3Dイメージのクオリティの高さには圧倒的な自信を持っている」と語る。
「プロのインテリアコーディネーターにお願いすれば悩まず、家具も探さずに済む。そして3Dイメージを見れば、家具を試す必要がないくらいイメージできる点がユーザーからも高い評価を得ています」
現在、子どもが増え、収納に困っている30代女性や、“モテ部屋”に憧れる20代、30代の独身男性を中心にユーザーを拡大していっているCOSIC。今回リブランディングを実施した理由も、「想像していたよりも男性のユーザーが増えてきたため」だと言う。
「日本最大級の家具・インテリアEC『FLYMEe』のラインナップをそのまま活用させていただけるようになったことで、、ユーザーにより幅広い選択肢を提案できるようになりました。オンライン型のインテリアコーディネートサービスとしては頭一つ抜けた価値提供をしていける体制になったと考えています」
引越しの需要が増える3月、4月を控えるとともに、新型コロナウィルスの影響で在宅勤務をする人が増えている昨今。自宅を少しでも働きやすい環境にしたい人にとっても重宝するサービスとなるかもしれない。