キャリア・教育

2020.03.16 08:30

米国で勤め先を変える前にすべきこと

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応募先の企業からついに内定を受けてそれを承諾し、報酬などの条件の交渉や現職での辞表提出を終えたら、転職活動はほぼ終了だ。ただ、米国で働いている場合、仕事を辞める前にすると役に立つことがいくつかある。

まずは、今の会社に、退職時に一定期間籍を残さなければならない「ガーデン・リーブ」方針があるかどうかを調べること。一部の会社にはこれが存在し、最大3カ月の間は新しい会社で勤務を開始できない。

これは主に上級役員や営業社員を対象としたもので、従業員を会社に残しておき、新たな会社で働けないように強いることで、会社にはメリットが生まれる。営業社員の場合、顧客が退職者についていくのを防げるし、移行段階で何か問題が起きた場合でもその社員が対応できる。また、退職者が不正に社内の専売情報を使用することも防げる。

転職先企業は、退職届の提出から2週間という通常の期間で勤務を開始することを期待しているはずなので、現在勤務中の企業にこのような方針があるならば、それをすぐに知らせること。合理的な期間内に勤務を開始できなければ内定が取り消される可能性もあり、そうなれば苦しい立場に置かれてしまう。自分が署名した契約内容については、転職活動前に必ず確認しよう。

また、退職に当たって会社から何らかの返金を求められるかどうかも調べること。会社から学費支援や入社ボーナスなどのインセンティブを受け取っていた場合、会社を辞めたら返済を要求されるかもしれない。これは転職を取りやめる理由にもなる問題だ。

辞めることによる金銭的な負担が大きいと、転職の金銭的なメリットは減る。そうなれば現職に残らざるを得なくなったり、損失分を埋めるため転職先企業と土壇場の交渉を行うことになったりするかもしれない。

また、会社から付与された株式やストップオプションには、制限やロックアップ期間が設けられていることが多い。退職後すぐにこうした有価証券を全額受け取れると思わないこと。制限付き株式には3年以上の受給期間が設けられていることが多いため、こちらも土壇場になって問題とならないよう、転職活動開始時に確認しておくこと。

同様に、現企業で提供されている企業型確定拠出年金(401k)などの年金制度を新たな企業でも続けられるか確認する。また、医療保険の内容も企業間で差がないか確認しよう。
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編集=遠藤宗生

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