米大統領選の新星ピート市長、難しい名字は吉か凶か

Photo by Win McNamee/Getty Images


自己ブランディングのパイオニアである私に言わせれば、名前に関して最も重要なのは一貫性だ。効果的な自己ブランディングを行うには、自分の独自性を示すことが必要で、変わった名前をブランドの一部としてアピールしたいのなら、それを前面に出そう。これは特に、デジタル化が進み、人の名前が検索ワードとなる現代で重要だ。

ただ、アピールできるものが名前だけというのも問題だ。キャリアを左右するのはあくまで、自分がもたらす価値だ。自分が何と名乗ろうと、その名前が一貫性のなさや無能と結びつけられれば、継続的な成功にはつながらない。

とはいえ、間もなく自分の子どもが生まれる予定で、つける名前によってその子の将来が変わるかどうか疑問に思っている人は、ニュースサイト「ビジネスインサイダー」の記事が役に立つだろう。同記事では、名前と仕事にまつわる一連の研究結果が紹介されている。

ある研究では、発音しやすい名前の人々は職場で高い地位につく傾向があることが示された。研究に関わった心理学者のアダム・オルターはニュースサイト「Wired」に対し、「人は、比較的簡単に処理・理解できる情報をより好む」と説明している。また、ニューヨーク大学による別の研究では、これが組織名についても当てはまることが示された。シンプルな名前やロゴの会社の株は市場でのパフォーマンスがより優れていた。

変わった名前をめぐる決断を迫られた人の例をいくつか紹介しよう。米テレビドラマ「ブレイキング・バッド」でジェシー・ピンクマン役を演じたアーロン・ポールはもともとSturtevantという名字だが、発音が難しすぎたため、ミドルネームのポールを名字として使い始めた。

「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のブルガリア人女優ニーナ・ドブレフも、本名はNikolina Konstantinova Dobrevaだ。オスカー俳優のベン・キングズレーも同じで、生誕時の名前は父方の民族であるグジャラート人系の名前であるKrishna Bhanjiだ。ドナルド・トランプ米大統領の祖先も、名字をDrumpfからTrumpに改名している。

ピート市長に関しては、少なくともメディア報道という面で名字が注目を浴びて強みとなっていることが、本記事の存在からも示されることになるだろう。

編集=遠藤宗生

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