冠婚葬祭の中でも、葬儀には未だアンタッチャブルなイメージが残る。同社が実施した「お葬式に関する調査」をもとに、現代に求められる葬儀のあり方を担当者に聞いた。
新しい葬儀の形と高齢化の意外な接点
「お坊さんのいないお葬式」を展開する ナインアンドパートナーズ調べ
全国の30代~70代の男女700人に聞いた「お葬式に関する調査」によると、魅力的な葬儀についての質問では、「宗教観にとらわれない葬儀」と回答した人が42%と一番多く、次いで多かったのは、「会話が多く笑いも出るような葬儀」と回答した人で27.9%だった。現代では、宗教や形式にとらわれない自由な葬儀が求められていることが読み取れる。
担当者によると、自由な葬儀が求められる背景に高齢化があげられるという。「今までは、就労を終えて間もない方のご不幸や、まだまだ現役の方のお葬式が多くありました。しかし、最近は現場から離れて長くたってからお亡くなりになる方が増えています。そうなるとご参列者やご親戚の人数も少なく、家族葬を選ぶ方が多くなりました」。
どうやら、身内だけで小規模に葬儀を行うことが増えてきたことで、他者を介在させる形式張った葬儀のやり方が好まれなくなっているようだ。
「無宗教葬儀では、従来読経や焼香に使われていた時間を、喪主と参列者で思い出を振り返るなど、好きなように使えます。弊社は、日常では無宗教だったのに葬儀で当然のように宗教が持ち出される現状に、疑問を投げかけています」
「お葬式の仕方も当たり前に選べる世の中になるよう、こんなお葬式もあって良いんだよと、様々なお葬式のあり方を肯定していきたいです」。
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生き方の多様化と死に方の多様化
冠婚葬祭の多様化は、生き方の多様化の流れに位置づけることができそうだ。結婚式に目を移すと、人前式に代表される、宗教色を取り除いた式の存在がある。その中では、自分たちの生き方や価値観を前面に打ち出した、オリジナリティのある結婚式が好まれる。また、日本ではまだ法律として認められていないものの、同性同士でパートナーシップを結ぶ同性婚の認知も広がってきている。新しい動きとしては、欧米を中心として、自分自身を大切にすることを誓い、自らと結婚する「ソロガミー」という概念も生まれてきている。
結婚式が自分らしい生き方をするための儀式として認識されていく中で、葬儀にも自分らしさを大切にする波が来ているのではないだろうか。結婚式が生き方の多様化を顕在化させる一方、葬儀は死に方の多様化を表すものになっていきそうだ。