米SECへの提出書類から、ソニーはプレイステーション4(PS4)向けの人気ゲーム「Marvel’s Spider-Man」や「スパイロ・ザ・ドラゴン」「ラチェット&クランク」などで知られる、インソムニアックの買収費用の大半を現金で支払っていたことが分かった。
インソムニアックは昨年、創業25周年を迎えており、プレイステーション1時代の1998年に「スパイロ・ザ・ドラゴン」をヒットさせていた。
不眠症を意味する名前を持つインソムニアックが2018年にリリースしたPS4向けゲーム「Marvel’s Spider-Man」は1300万本以上のヒットとなり、NPD Groupのデータではスーパーヒーローものゲームで史上最大の売上を記録していた。
インソムニアックはPS2向けには「ラチェット&クランク」をヒットさせ、PS3向けタイトルでは「RESISTANCE〜人類没落の日〜」で注目された。同社はその後も、独立系のスタジオとして運営を続け、2014年にはマイクロソフトのXbox One限定で「Sunset Overdrive」をリリースしたほか、2016年にはオキュラスのVRヘッドセット用ゲームの「Edge of Nowhere」を発売した。
ソニーは229億ドルもの対価を支払うが、インソムニアックの有名タイトルのIP(知的財産権)の多くは外部企業が保有している。「スパイロ・ザ・ドラゴン」のIPはアクティビジョン・ブリザードが保有している。一方、「RESISTANCE〜人類没落の日〜」や「ラチェット&クランク」のIPはソニーが保有している。
インソムニアックが自社でIPを持つ作品としては、「Sunset Overdrive」があげられるが、この作品は現在もXbox One独占となっている。
PS4は過去6年の間、マイクロソフトのXbox Oneを上回る売上を誇っているが、それを支えているのはNaughty Dogのような外部のゲームスタジオから独占的に供給された人気タイトルだ。ソニーは、インソムニアックを傘下に収めることで競合との戦いを有利に進めようとしている。
インソムニアックを創業したTed Priceは現在もなお、同社のCEOを務めている。