心理療法士が勧める、悪習を断つ3つのステップ

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収入を超える出費をしてしまう、ジャンクフードを食べ過ぎてしまう、テレビを見過ぎてしまうなど、大半の人は時に不健康な選択をしてしまうことがある。また時には、こうした振る舞いが習慣となり、やめられなくなることもある。

一瞬弱さが顔を出すだけで、悪い決断を下すのは簡単だ。悪習を断つのが非常に難しい理由の一つはここにある。こうした、「クッキーを1つ食べただけでは死なない」などの考え方は、危険なものになりかねない。一生懸命避けようとしていた誘惑にも、いとも簡単にはまってしまうのだ。

私は心理療法士として、仕事で人々が悪習を断つ手助けをすることが多い。昔の交際者へのテキストメッセージや衝動買いをやめるための心理学的なコツは、数え切れないほど存在する。

ここでは、私自身が不健全な習慣をやめようとしていたときに、自分の生活で特に役立つと感じた3つの戦略を紹介する。

1. 誘惑に屈してはいけない理由を書き出す


なぜ悪習を断たなければならないかはもちろん、既に理解している可能性が高い。誰しも、過食や飲み過ぎが健康にどのような影響をもたらすか、買い物のし過ぎで銀行口座がどうなるかを理解しているはずだ。

いつも論理に基づいて決断すれば、強い欲求に屈することは決してないはずだ。しかしもちろんそうではない。毎回欲求に屈するたび、私たちは感情に決断させている。

実際、私たちが不健全な習慣に屈する理由は多くの場合、不安や悲しみ、寂しさ、さらには退屈さなど、不快な感情から一時的に解放されるためだ。

論理によって感情のバランスを取ることで意思決定が改善され、こうした欲求に抵抗できるようになるだろう。これを実行する一つの効果的な方法は、悪習となっている行為を行うべきでない理由として、分かっているものを全て書き出すことだ。誘惑に負けなかった場合、どのような前向きな感情の変化があるかも全て書き出そう。

それから、不健全な習慣に走りそうになったら代わりにリストを手に取ろう。それを読むことで感情が落ち着き、論理性が強くなる。

私のある顧客には、テレビを見ながら夜に不健康なスナックを食べてしまう男性がいた。彼はこの戦略を実行し、誘惑に駆られたときはリストに手を伸ばして読んだ。

そうすると、彼は即座に「ジャンクフードを食べなければ、翌朝自分のことを誇りに思うだろう」「ジャンクフードを食べるとズボンがきつくなる」など、誘惑を断つべき理由として自分が書き出したものを改めて思い出させられた。これにより、強い欲求に抵抗できることが多かった。

興味深いことに、欲求は数分後にはなくなる場合が多い。リストを読む時間を取ることで、体がもはやそれを欲しなくなるまで時間を稼ぐことができる。
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翻訳・編集=出田静

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