スペースXの「衛星インターネット部門」がIPOの可能性

Photo by Joe Raedle/Getty Images


衛星インターネットを提供する企業は既にいくつかあるが、その大半は高高度の軌道に衛星を投入しているため、通信の遅延が問題となっている。

モルガン・スタンレーは2040年までに、衛星インターネット企業が生み出す売上が最大で1000億ドルに達すると予測した。ただし、スターリンクの強敵となるのは、高速インターネットの整備を目指す伝統的プロバイダーのコムキャストなどだ。さらに、過疎地域や新興国市場においても、既存のモバイルインターネット企業らが、5G回線のインフラ整備に膨大な資金を注入している。

「ベライゾンやAT&Tらは巨額の資金を注いで、今後2〜3年以内にファイバーインフラの整備を進めようと急いでいる。整備が遅れた場合、市場は衛星インターネット企業に奪われる」と、ISP企業のStealth CommunicationsのCEOを務めるShrihari Panditは述べた。

スペースXは同社が提供する衛星インターネットの価格を開示しておらず、想定する顧客も明らかにしていない。どの程度の売上や顧客数を獲得できるかに、同社の命運はかかっている。

「彼らが提供する衛星インターネットサービスは、米国の過疎地の需要を満たす上で、合理的な価格になるだろうか。それが最も気になる点だ」とPanditは話した。

編集=上田裕資

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